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受動喫煙問題に関する、47都道府県知事の見解 その3


受動喫煙問題に関する、47都道府県知事の見解 その3

※調査実施時期(平成23年1~3月)時点での見解。5月17日にアンケート掲載の許可願いを全47都道県に申請し、許可の出ているもののみ掲載しております。

“飲食店における喫煙のあるべき姿”とは? 現在どのような取組みをなされていますか? 今後5年間を目処に条例を制定する予定は?
鳥取県知事
平井伸治氏
その他。
受動喫煙による健康への影響はもとより、本人の健康も含めて総合的に考えると、飲食店のあり方としては最終的には禁煙が望ましく、少なくとも分煙を推進すべきと考えます。そのために、当面は、県民の幅広い理解・協力を得ながら受動喫煙防止対策を強力に推進します。
既に条例を実施している。
「鳥取県がん対策推進条例」で受動喫煙対策を明記しました。それに基づき、禁煙・分煙に取り組む施設等を認定する「健康づくり応援施設制度」を普及させることにより、啓発を行なっています。今後は、飲食店についても積極的に働きかける予定です。
既に条例を実施。
島根県知事
溝口善兵衛氏
検討中。
島根県たばこ対策検討会において、島根県飲食業生活衛生同業組合にも委員として参画いただき、受動喫煙防止対策について検討しています。
行政指導含む啓蒙。
健康日本21の一環で、健康づくり県民運動(健康長寿しまね推進会議)において、禁煙飲食店を増やし、PRする目的で、「たばこの煙のない飲食店」拡大事業を展開しています。(H23年1月現在197店)
なし。
島根県たばこ対策方針を策定しており、この指針をもとに活動を展開します。
岡山県知事
石井正弘氏
禁煙する。
健康局通知で示されているように「多数の者が利用する公共的な空間については原則として全面禁煙であるべき」であることから、当県においても多数の者が利用する公共的な空間については原則として全面禁煙とし、全面禁煙が極めて困難な場合等においては、当面、施設の態様や利用者のニーズに応じた適切な受動喫煙防止対策を推進していきます。
行政指導含む啓蒙。
健康局長通知を受け、当県においても県・市町村・関係機関等へ通知を発出し、啓発を行なっています。また、当県では平成15年度から「禁煙・完全分煙実施施設認定事業」を実施しており、禁煙もしくは完全分煙を行なうように働きかけを行なっています。
なし。
広島県知事
湯崎英彦氏
禁煙。
原則として、全面禁煙が適当です。ただし、全面禁煙が極めて困難な場合等には、施設の態様や利用者のニーズに応じた適切な受動喫煙防止対策を勧めることが適当と認識しています。
行政指導等含む啓発。
禁煙・分煙をしている県内のお店を「健康生活応援店」として認証し、認証ステッカー・禁煙等ステッカーを交付するとともに、県ホームページなどで周知する制度を運用し、飲食店等の受動喫煙防止の取組の環境整備を図っています。また、平成23年度は、飲食店等の業界団体との連携によるシンポジウム開催などにより、飲食店等の受動喫煙防止の取組を支援することにしています。
なし。
山口県知事
二井関成氏
禁煙する。 行政指導含む啓蒙。 なし。
“飲食店における喫煙のあるべき姿”とは? 現在どのような取組みをなされていますか? 今後5年間を目処に条例を制定する予定は?
徳島県知事
飯泉嘉門氏
その他。
禁煙が望ましいと考えていますが、まずは、「受動喫煙防止」に向けた「意識啓発」や「公共的空間での取組み」等に一層の創意工夫を凝らし、禁煙を地域社会全体が受け入れる環境づくりが必要と考えています。
啓発。
喫煙の「健康に及ぼす影響」の周知や、公共的施設等での「禁煙の必要性」についての啓発、禁煙希望者への相談支援などに取り組んでいるところであり、さらには、敷地内または建物内禁煙に取り組む店舗、事業所を「禁煙宣言事業所」として登録し、「禁煙宣言ステッカー」を配付するとともにホームページなどで紹介する取組などを進めています。
未定。
昨年策定した「徳島県がん対策推進条例」において、「多数の者が利用する施設における禁煙」及び「受動喫煙防止のための措置」の促進について明記しています。まずは、この条例の規定に基づき、「受動喫煙による健康への影響」や「防止対策の必要性」について、一層の普及啓発を進め、

  • ●「喫煙者、非喫煙者」双方における意識の動向
  • ●公共的空間を有する施設を管理する「事業者の意向」
  • ●官公庁を始めとする公共的施設での取組み状況

などを注視し、今後の受動喫煙防止対策として、取るべき手法を検討していきます。

香川県知事
浜田恵造氏
その他(全面禁煙が望ましいが、まずは分煙対策を進める)。
飲食店については、未成年者や妊婦を含む不特定多数の人が利用する施設であり、全面禁煙にすることが望ましいが、まずは、それぞれの店舗の形態や、利用者のニーズに応じた分煙対策を進め、将来的には禁煙を目指していくのが現実的と考えます。
行政指導含む啓蒙。
香川県では、禁煙又は分煙の対策をしている施設を認定する「禁煙・分煙施設認定制度」を設け、受動喫煙防止対策や取組みを促進しています。また、行政指導は実施していないが、市町や関係機関と連携を図りながら、リーフレットの配布や啓発ポスターの掲示による、喫煙及び受動喫煙への影響や受動喫煙防止について様々な機会を通じて積極的に普及啓発しています。
なし。
現在のところ受動喫煙防止の条例を制定する予定はないが、今後全国的な状況を見ながら検討していきます。
愛媛県知事
中村時広氏
分煙する。
受動喫煙防止の観点から、原則禁煙が望ましいと考えますが、中・小規模の飲食店は対応が困難なことも想定され、施設の状況や利用者のニーズに応じた適切な受動喫煙防止対策が実施されることが現実的であると考えます。
行政指導含む啓蒙。
禁煙・完全分煙を行っている施設を認定する「えひめ愛の禁煙・分煙施設認定制度」の推進や、関係機関と連携したセミナーの開催など受動喫煙防止に向けた普及啓発活動を行なっています。
なし。
今後の対策の進捗状況や県民からの御意見、国や他県の動向などを踏まえながら、必要であれば検討したいと考えています。
高知県知事
尾崎正直氏
禁煙する。
受動喫煙防止は、強制して進めるのではなく、その理解が進むよう、社会全体の気運を高め、県民の方々の理解を十分に得ることに力を入れていくことが重要であると考えます。顧客への配慮から禁煙・分煙の取組みを実施することが困難な飲食店等のサービス業が存在することも考慮しながら、当面は、禁煙や分煙対策に対してメリットを感じられるような対策を実施し、県民や当県を訪れる観光客の方々にも気持ちよく過ごしていただけるような環境づくりに取り組んでいきたいと考えています。
行政指導含む啓蒙。

  • ■「空気もおいしい!」認定事業実施(H20年度~)。県内で受動喫煙防止対策(禁煙、完全分煙)を実施している施設を認定し公表。
  • ■普及啓発実施。県民の主体的な健康づくりを支援するため、健康づくりへの関心を高め、健康づくり実践に役立つ知識や情報を、例えば「世界禁煙デー」に合わせて新聞広告を実施するなど、広報媒体の特徴を活かしてタイミングよく提供。
なし。
左端回答の考え方により、条例制定については、現時点では予定していません。
“飲食店における喫煙のあるべき姿”とは? 現在どのような取組みをなされていますか? 今後5年間を目処に条例を制定する予定は?
福岡県前知事
麻生渡氏
その他。
県民意識を高めることを行ないながら、建物内禁煙の取り組みを進めていく必要があると考えています。
行政指導含む啓蒙。
ホームページ、ちらし等の配布や研修会の開催などにより、受動喫煙防止対策の必要性について啓発を行なうとともに、福岡県たばこ対策推進会議等において、飲食店等の関係者の意見を集めながら、具体的な対策を検討しています。
未定。
現時点では、条例化に向けた検討は行なっていませんが、今後、国や他府県の動向を見守っていく必要があると考えます。
佐賀県知事
古川康氏
その他。
平成22年2月の厚生労働省健康局通知「受動喫煙防止対策について」を受け、 担当課から飲食店関係者へも通知を行ないました。
しかし、飲食店の受動喫煙防止については、「飲食店の従業員の健康」、「お客さんの健康」のほかに、「飲食店の経営」という側面もあり、多角的に検討を要する必要があります。全面禁煙をする飲食店や禁煙時間帯(昼食時等)の設定する飲食店は増えてきていますが、たばこを吸う常連客との兼ね合いから全面禁煙化が難しい飲食店もあると聞いています。受動喫煙防止からいけば禁煙が理想とする姿ではありますが、現状からみて、あるべき姿を分煙でよいとは決めがたい状況です。
今後は、受動喫煙の害をアピールすることで、飲食店の利用者及び従事者に理解を得られるように働きかけを行ない、対応施設の増加を図っていきます。
行政指導を含む啓蒙。(具体例は右欄に併せて記載) なし。
佐賀県では、平成15年5月の健康増進法の施行にあわせ、非喫煙者の受動喫煙を防ぐため、「禁煙・完全分煙に取り組む施設」の認証制度を創設し、認証施設を増やしてきました。
しかし、県民に、より身近な飲食店やレジャー施設での禁煙・分煙の認証件数は、まだまだ少ない状況で、飲食店の責任者が集まる機会を見つけて、受動喫煙の害について話をしたり、「禁煙・完全分煙飲食店」情報を作成するなどして、認証施設の増加のため普及啓発に努めています。
将来的には、県民の健康を考えて、「多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙」を実現するためには、法的措置も必要かと思います。そのためには、多くの県民の理解を得ながら議論を行なっていく必要があるため、「禁煙・完全分煙施設」の認証やたばこの害に関する正しい知識の普及啓発に努めているところであり、現段階では条例を制定する予定はありません。
長崎県知事
中村法道氏
その他(禁煙・分煙)。
法の趣旨を踏まえた対策が必要と考えます。
行政指導含む啓蒙。

  • (1)飲食店等で禁煙・分煙に積極的に取り組んでいる施設を「禁煙・分煙宣言施設」として認証し、認証ステッカーを交付する。
  • (2)飲食店で県民の健康づくりを支援するため、店を禁煙・分煙を実施している施設を「健康づくり応援の店」として登録しステッカーを交付、また定期的な実施状況の確認や支援を行なう。
なし。
現在のところ制定の予定はないが、昨年2月の厚生労働省健康局長の通知の効果や導入動向、さらには神奈川県の受動喫煙防止条例の実効性も見ながら、各方面の意見を聞いて今後検討したいと考えます。
熊本県知事
蒲島郁夫氏
その他(検討中)。
飲食店だけではなく、旅館・ホテル業などの業種も含め検討中です。
行政指導含む啓発。
昨年2月の厚生労働省の通知を受け、県内関係機関へ周知を行なっています。また、本年1月、市町村等を対象に専門家による受動喫煙防止対策を推進するための研修会を開催するなど啓発に取り組んでいます。
今のところ検討は予定していません。
“飲食店における喫煙のあるべき姿”とは? 現在どのような取組みをなされていますか? 今後5年間を目処に条例を制定する予定は?
大分県知事
広瀬勝貞氏
禁煙。
飲食店は健康増進法第25条の対象地域に含まれています。
行政指導含む啓蒙。
受動喫煙防止対策の必要性等についての啓発。
なし。
宮崎県知事
河野俊嗣氏
禁煙する。
受動喫煙防止の観点から、多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべきと考えます。従って、飲食店においても、将来的には全面禁煙が望ましいと考えますが、利用者を含め地域全体の受け入れ環境を整える必要があることから、受動喫煙防止の啓発を図るなど、段階的な取り組みを行なっていきたいと考えます。
啓発。
公共的な空間は原則的に全面禁煙とする国の通知を、市町村及び飲食店関連を含む関係団体に周知しました。また、飲食店も対象に含めた受動喫煙防止対策の現状や問題点を把握するためのアンケート調査を行なうほか、受動喫煙防止キャンペーンにおいて、禁煙飲食店の情報提供等を実施します。
なし。
実効性のある法的措置は、国において検討いただきたいと考えます。
鹿児島県知事
伊藤祐一郎氏
その他。
受動喫煙防止対策については、健康増進法第25条に基づき、関係機関・団体へ「多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべき。」の旨を周知・協力依頼しているところです。
本県で実施している受動喫煙防止対策実施状況調査からサービス業等組合の取り組みをみると分煙の回答が多く、全面禁煙は難しい現状にありますが、原則として全面禁煙が望ましいことから、今後も受動喫煙防止に関するさらなる協力依頼・啓発を行なっていく必要があると考えています。
啓発の実施。
世界禁煙デーや禁煙週間等における受動喫煙防止に係る普及啓発や関係機関・団体等への実施調査、健康づくり関連の会議等において関連団体へ周知・啓発を行なっています。また、がん予防啓発月間等に受動喫煙防止に関する啓発を実施しています。
未定。
現在のところは条例等の制定の予定はありません。
沖縄県知事
仲井眞弘多氏
原則として禁煙すべきと考えますが、全面禁煙が極めて困難な場合には、施策の状況や顧客のニーズに応じた適切な受動喫煙防止措置を行っていただき、将来的には全面禁煙を目指すことが望ましいと考えます。(厚生労働省局長通知に準じる) 健康増進計画の指針の一つにタバコ対策を挙げ、

  • (1)未成年・若い世代・妊婦の喫煙率減少、
  • (2)禁煙サポート体勢整備、
  • (3)無縁環境整備

を目標として、沖縄県禁煙・分煙施設制度の推進を中心に、禁煙教育や啓発活動を行なっています。

未定。
【まとめ】

今回の”受動喫煙”に関する知事アンケートについて、47都道府県中、42都道府県(内非掲載1)の知事が各々自治体の取組みについて回答。全体として、「禁煙が望ましい」という考えが主軸にあるものの、飲食店等サービス業については、「全面禁煙が極めて困難な場合には、施策の状況や顧客のニーズに応じた適切な受動喫煙防止措置を行なっていく」と現実的な施策を打ち出す知事が多い。何より、自治体にとって最も大事なのは地域の住人が安心して気持ちよく過ごせる環境創りである。そういう意味で、飲食店関係者も地域住民のひとり。飲食店関係者として、また一市民として、常に自分の属する自治体の動向をチェックしながら、意見を発していくことが重要である。

 

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