坪月商75万円の繁盛店「リ・カーリカ」待望の4店舗目が登場!
多くの飲食店が軒を連ねる学芸大学の駅前から、しばらく歩けば閑静な住宅街が広がる碑文谷エリアにたどり着く。「リ・カーリカ ランド」は、その住宅街の中、目黒通り沿いオープンした。運営会社のタバッキ(東京都目黒区、代表取締役:堤 亮輔氏)は、学芸大学の「リ・カーリカ」と「あつあつリ・カーリカ」、都立大学の「カ・リーカリ」の3店舗を展開している。いずれも地域の繁盛店として知られ、学芸大学の2店舗は坪月商にして75万円、都立大学の「カ・リーカリ」は45万円を売っている。現在は新型コロナの影響もなく、以前と同水準の売上をキープ。連日、ひっきりなしにお客が訪れ、その賑わいは途絶えることを知らない。
「リ・カーリカ ランド」は、そんなタバッキの4店舗目。既存店はいずれも夜営業中心のイタリアンだったが、今回は1日を通じて使える「街にひらかれた食堂」がコンセプトだ。さらにショップ・オフィス・ラボ機能を持たせた新たな挑戦となっている。「当社も3店舗まで規模が拡大し、去年頃から商品開発を行う『ラボ』と、事務作業ができる『オフィス』が欲しいと思っていました。たまたま見つけた元家具店のこの物件は、大通り沿いで周辺は住宅街。30坪もの広さがあり、単なるラボとオフィスにするだけではもったいないと思い、やりたいことをどんどん加えていった結果、このスタイルに行きついたんです」と代表の堤氏は話す。
スタッフのライフスタイルの変化に合わせた柔軟な働き方を提供すべく開業
創業から8年、同社では長年にわたり勤務するスタッフも多く、その間にライフスタイルが変化した人がいることも、今回の新しいスタイルに挑戦した理由だ。「出産をしたスタッフが、子育てと両立しようとするとどうしても夜は働きづらい。また、あるスタッフが体調を崩してしばらくお酒が飲めなくなってしまったのですが、営業中はワインの試飲などもあるので、同じく夜は難しい状況に。そこで、朝や昼に営業する店を作りそこを任せたり、バックオフィスの事務作業のポジションを作ったりすることで、各人の生活に合わせた働き方を提供できると思いました」と堤氏。「当社の最大の強みは“人”だと思っています。スタッフそれぞれの高い調理技術やワインの知識、接客力があるからこそ店が回っている。彼・彼女達は大切な存在。よりよい環境で働ける仕組みを作ることが責務だと思います」とも話す。
朝・昼・夜でメニューが変化。いずれも運営負担の少ないシンプルオペレーションで
「リ・カーリカ ランド」では、時間帯ごとに提供メニューが変化する。朝9時から11時半までは「あなたの健康を守る朝粥」(1500円)の1品を提供。栃木県の契約農家の玄米を使ったお粥に、極薄にスライスされた生ハムの「クラッタ」と、10種類の付け合わせ料理や発酵食品を添えて提供、神戸の紅茶専門店「ウーフ」のルイボスティーも付く。「僕自身、朝粥が好きで、体調がすぐれないときや二日酔いの朝によく食べていました。健康をテーマに、付け合わせのおかずには発酵食品を多く取り入れ、胃腸の調子が整うお粥にしています」と堤氏。さらに、お粥と楽しめるオプションメニューとして、甘味料を加えないナチュラルな味わいの「ホワイトマッコリ」(500円)も用意。「朝に少量のアルコールを嗜むことで、身体が温まり、1日を気持ちよく過ごせる」(堤氏)という新提案だという。
昼12時から14時半までは「発酵スパイスカレー」(1500円)を用意。朝粥同様、健康をテーマに、インド、ネパール、中華、和、イタリアンなど多国籍な要素を「発酵」でまとめたオリジナルのカレーだ。チーズやアチャール、ドライ納豆、ヨーグルトソースなど、多彩な発酵食品の付け合わせをカレーベースと混ぜながら食べ、味の変化を楽しめる一皿に仕上げている。開発したのは、同社で長年料理人として活躍する、「カレーを愛しすぎたシェフ」こと伊藤和道氏。きっかけは新型コロナの影響があった4~5月頃、通常営業を取りやめた代わりに、ランチやテイクアウトでカレーを提供することになった。伊藤氏は堤氏とともに研究を重ね、日々、カレーをブラッシュアップ。それが好評につき、同店で商品化に至った。
夜18時からはワインを中心とした「タベレルBAR」として営業。ワインはナチュラルワインのみで、グラスが常時8品(700円~)だが、ストックには多彩なワインが控えており、ワインに精通した同店店長の酒井ゆり氏に相談すればオススメを教えてくれる。その他のドリンクには、ボトルクラフトビール(各種1200円~)、「辰巳蒸留所クラフトジン」(ASK)、イタリアの赤いリキュールをトニックで割った「レッドトニック」(700円)、グラッパ(各種2000円~)、ノンアルコールの「自家製ジンジャーエール」(600円)やコーヒーや紅茶、甘酒まで充実。フードは計20品ほどを厳選して用意。
イタリア製のスライサーを使用し、エアリーな食感と旨みがたまらない「極薄クラッタとパンチェッタコット」や(1人前1200円)、堤氏が惚れ込んだモッツアレラ「ミルク爆弾モッツアレラ」(1600円)から、「半熟卵とウニ貴醸酒マヨ」「カカオトーストとイチジクバター」「塩漬けシラウオとバターのブルスケッタ」などの小皿料理は1ピースからオーダー可能で、各500円。「ほっこり煮た豆のカチョ エ ペペ」(800円)、「羊の蒸し餃子」(900円)など温かい料理も。バー使い向けの軽いつまみだけでなく、「サーロイン“牛丼”卵黄のせ」(1300円)、「いろいろ米のご飯と味噌汁と水キムチ」(600円)など、つまみではなく食事になるメニューも置いている。
朝はお粥、昼はカレーとそれぞれ1アイテムのみの営業で、ディナーの料理についても、シンプルなオペレーションで提供できるものを中心にラインナップし、無理なく運営できる仕組みにしている。
アイドルタイムはシェフ同士が意見交換しながら試作ができる「ラボ」に
ランチとディナーの14時半~18時の間は一旦クローズし、その間は同社のラボとして機能。各店のシェフが一堂に会し、意見を交換しながら商品の試作ができる場所とした。「店に閉じこもって一人で試作をするとどうしても煮詰まってしまい、効率がよくない。その場ですぐに仲間からの意見がもらえる環境を用意することで、より効率的でクオリティの高い商品づくりを目指したい」と堤氏は話す。
さらに、店内一角には「ショップ」も。「以前から、積極的に生産地を尋ねるなど生産者とのつながりを大切にしてきました。コロナ禍で滞ってしまった品を多くの人に届けたい」という。家庭での食事が「少しだけ」ランクアップする、そんな思いのもと、店内で提供するメニューにも使用される調味料や加工食品、野菜など、「生活を少しだけ豊かにする」をテーマにした品を並べる。全国から厳選した、少量生産で作り手の思いがこもったものばかりだ。店内で提供するメニューに使用している調味料の多くも並べ、購入可能だ。今後は、自社で作る調味料やパスタソースを販売できるよう準備を進めているという。
「スタッフの強さ」と「地域密着」こそ、タバッキが支持される理由
「ここは商売として考えると、決して効率はよくない」と堤氏。売上よりも、多くの機能を集約し、より強い組織づくりのための布石と捉えている。「当社の店舗は人の力に頼っているので、無理に店舗数を広げようとは思っていません。一人一人が力を発揮できる環境を整えたうえで、スタッフが輝くために必要な店を作っていきたい」と話す。
スタッフの強さとともに、これまで地域密着を大切にしてきたことも、同社が支持されている理由だ。「『リ・カーリカ ランド』でも変わらず地域密着をモットーに、『街にひらかれた食堂』として、1日を通じて気軽に立ち寄れる、近隣の方の心の拠り所になれれば。また、ここから新規事業も生み出していけるような『情報発信基地』としても機能させていきたい」と堤氏。今後は「リ・カーリカ ランド」の場を利用し、ECサイトや新たな業態の開発の準備を進めていきたい意向だ。
店舗データ
店名 | Ri.caricaランド(リ・カーリカ ランド) |
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住所 | 東京都目黒区鷹番1-4-9 小山ハイツ1F |
アクセス | 学芸大学駅から徒歩8分 |
電話 | 080-7279-2233 |
営業時間 | 朝粥9:00〜11:30、カレー12:00〜14:30、ワインバー18:00〜23:00(ショップは9:00〜23:00) |
定休日 | 水曜 |
坪数客数 | 約30坪12席 |
客単価 | 朝・昼1500~2000円、夜6000~1万円 |
運営会社 | 株式会社タバッキ |
オープン日 | 2020年11月1日 |
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