本の街・神保町。多ジャンルの飲食店が集結し、グルメの街としても目が離せないエリアだ。11月15日にオープンした「四川大衆ハオワール」は、四川料理×大衆酒場がコンセプト。「東京ブッチャーズ ワイン&バル」を業務委託で運営していたGoo&Coo(東京都千代田区)の菊池正寛氏が同物件をリニューアルを手がけた新業態だ。客単価3000円の大衆酒場をベースにしながら、中華料理に精通した同氏オリジナルの「麻辣おでん」や唐辛子がたっぷり入った「四川チューハイ」などを武器に展開。トレンドを掛け合わせた新たなコンセプトに業界からも注目が集まる。
大衆酒場に四川料理を落とし込んだ“ネオ町中華”
菊池氏は、グローバルダイニング(東京都港区、代表:長谷川 耕造氏)の「モンスーンカフェ」で勤務後、中華料理店にて7年ほど働き、料理長も経験。その後、エッジオブクリフ&コムレイド(東京都中央区、代表:針生 真氏)から委託を受け、同物件で炭火で焼く塊肉とワインがウリの「東京ブッチャーズ ワイン&グリル」を8年運営した。同氏は肉業態から大衆酒場に業態を変更について、「肉ブームが少し下火になってきたというのもありますが、店の機材が古くなったタイミングで、そろそろ得意分野で新業態にチャレンジしたいというのが大きかったです」と語る。
「四川大衆」という新しいコンセプトについて、「元々、大衆酒場がやりたくて。それと、丸の内のややアッパーな中華料理店で働いた際に鍛えた上質な味わいを大衆価格で提供したいとも思っていたので、その2つを掛け合わせました。もちろん、他にないお店にしたかったのもあります。あくまで大衆酒場が主軸ですが、言うなれば“ネオ町中華”がイメージに近いですね」と菊池氏。中華料理全般が得意でありながら、キャッチーさから“四川”を選んだと話す。
リニューアルに際して、店内のレイアウトはそのままに、コンセプトに合わせて内装を変更。床をウッドからコンクリートに変え、壁の色をワインレッドから中華らしい朱色に。イスは街の中華料理店をイメージした丸椅子を選んだ。
四川大衆の要素を詰め込んだ名物「麻辣おでん」
フードメニューは「麻辣ナッツ」(300円)、「四川ピクルス」(350円)、「麻辣やっこ」(300円)など、居酒屋メニューに四川風のアレンジを加えたメニューが並ぶ。名物の「麻辣おでん」(120円~)は、1本から注文可能。ほとんどのお客が注文する人気ぶりだ。「昔勤めていた店で似たようなメニューを提供していたんです。それを酒場仕様にブラッシュアップしました」と菊池氏。火鍋やしびれ鍋のような赤いおでんつゆのビジュアルと、四川風ならではの「白モツ」(120円)、「豚ガツ」(120円)、「牛ハチノス」(130円)などのラインナップがお客の興味をそそる。四川と大衆のミックスで同店のコンセプトを集約したメニューだ。また、皮から作る「水餃子」(1個 90円)、「焼売」(1個 90円)などの点心は、メインの脇を固める自信作。2個から注文でき、少しずつ様々なつまみを注文できるメニュー構成となっている。
ドリンクは大衆価格を印象付ける380円均一
ドリンクメニューは「サッポロ黒ラベル 生」、オリジナルブレンドの「爆弾サワー」、「ハイボール」など、ほぼ全てが380円。メニューに並ぶ価格を印象付けるため、原価にこだわらずに均一価格で設定したという。唐辛子が大量に入った「四川サワー」、「四川トマトサワー」(各450円)の2種類は、辛さがクセになると評判のテーブルの盛り上げ役だ。
客層は周辺で勤めるビジネスマンをターゲットとしていたが、“しびれ”のトレンドにハマって来店する女性客も多い。“四川大衆”のコンセプトは同業者からの評判は上々だが、一般客への浸透はこれからだという。今後の展開については、今の業態を確立させることで頭がいっぱい、と笑いながら「軌道に乗ったら、店舗を広げるよりも、中華のマニアックな地方料理をメニューに加えたりと業態をより深掘りしていきたいですね」と語ってくれた。トレンド感とオリジナリティ溢れる同店が人気店になるのも近い。
店舗データ
店名 | 四川大衆 ハオワール |
---|---|
住所 | 東京都千代田区神田神保町1-48-3 |
アクセス | 神保町駅から徒歩5分 |
電話 | 03-3233-5100 |
営業時間 | 【月〜金】ランチ 11:30~14:00(L.O.13:30)、ディナー 17:30~23:00(L.O.22:00)【土】ディナー 17:30〜23:00 (L.O.22:00) |
定休日 | 日曜・祝日 |
坪数客数 | 20坪40席 |
客単価 | 3000円 |
運営会社 | 株式会社 Goo&Co |
オープン日 | 2018年11月15日 |
関連リンク | 四川大衆 ハオワール(Instagram) |