8月3日、東京駅から徒歩5分ほどのオフィスビル内の飲食ゾーン「八重仲ダイニング」内に、「伊勢角屋麦酒 八重洲店」が開業した。三重県伊勢市のクラフトビールメーカー「伊勢角屋麦酒」の直営ビアレストランだ。運営元の伊勢角屋(社名は有限会社二軒茶屋餅角屋本店、代表取締役:鈴木成宗氏)は、1575年に創業。味噌や醤油の製造を行っていたが、その醸造技術を応用し、1997年に21代目当主の鈴木成宗氏がクラフトビールの醸造を開始した。2000年にクラフトビールのコンテスト「Japan Beer Cup」で金賞を受賞したのを皮切りに、国内外のビールコンペティションで多数の賞を獲得。その品質の高さには定評があり、根強いファンも多い。今回は、東京・日本橋にある、三重県のアンテナショップ「三重テラス」をはじめ、数々の飲食店を展開するアクアプランネット(三重県松坂市、代表取締役:福政圭一氏)とタッグを組み、「伊勢角屋麦酒 八重洲店」を開業するに至った。同店では、現在、オープンから間もないながらも、周辺のオフィスワーカーに加え、噂を聞きつけたクラフトビールファンで連日にぎわい、時には店の前に行列ができるほどの盛況ぶりを見せている。
以前からも、同社の出店を望む声は多く、さまざまな企業から共同の出店計画を持ちかけられることも多々あったという。伊勢角屋麦酒代表の鈴木氏は、出店の意向はありつつも、パートナー選びについては慎重を期していた。「400年以上続く伊勢角屋としては、これまでの歴史を振り返っても、一緒に仕事をするなら、“長い付き合いのできる相手”であることを重要視しています」と鈴木氏。そんななか、同社の心を射止めたのがアクアプランネットだ。「アクアプランネットさんとは、『三重テラス』でも当社のビールを提供するなどの関わりがありましたが、当社のビールを非常に丁寧に扱ってくれて、信頼を寄せています。なにより、どちらも三重県に本社を置く“同郷”であることも、長い付き合いができるだろうと考えた決め手のひとつです」と鈴木氏は話す。
25坪46席の店内は、元はアクアプランネットが運営していたベルギービール業態だった物件。契約満了により、業態変更として同店をオープンした。ウリはもちろん伊勢角屋のクラフトビール。「ペールエール」「ヒメホワイト」「Neko Nihiki」をはじめ13タップを備え、half pintが650円~、pint1100円~にて提供。加えて三重県の地酒(グラス500円~)や、ワイン熟成樽の日本酒「WAKAZE」(グラス750円)、キンミヤを使ったサワー(各種450円)等を用意する。
フードについては、「ネオ居酒屋」をイメージした全60品ほどのラインアップ。親しみやすくも、地元・三重県の素材を取り入れたハイクオリティな料理で、ビールとのマリアージュを楽しませる。とくに、三重県のブランド鶏、「赤どり」と、鳥羽・伊勢志摩の牡蠣を使った料理を目玉として用意する。赤どりは、「伊勢赤どりの唐揚げ」(6個880円、3個530円)、「伊勢赤どりの卵とじ」(630円)などに調理。牡蠣は「三重県産牡蠣フライ」(1個280円、注文は2個から)、「三重県産牡蠣とたっぷりキノコのアヒージョ」(680円)などで提供する。〆として、三重県名物の「伊勢うどん」(450円)も用意し、三重県の魅力をアピール。料理には、伊勢角屋で製造する醤油・味噌を使用しているのもこだわりだ。
鈴木氏は、「当社は、現在『世界から伊勢へ』をテーマに事業を展開中。この店をその足掛かりとできれば」と話す。8月末には伊勢角屋麦酒の新工場が稼働開始予定で、さらなる生産量の増加や、新銘柄の開発にも力が入る。アクアプランネット代表の福政氏も、「鈴木社長のビールへの情熱、愛情、向上心……当店の開業により、当社はこれらを背負ったことになります。プレッシャーは大きいですが、その期待に応えられるような店に育てていきたいですね」と気合十分だ。
店舗データ
店名 | 伊勢角屋麦酒 八重洲店 |
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住所 | 東京都中央区八重洲1-4-16 |
アクセス | 東京駅から徒歩5分、日本橋駅から徒歩3分 |
電話 | 03-3281-2300 |
営業時間 | 【月~金】11:30~15:00、17:30~23:30、【土】17:00~23:00 |
定休日 | 日曜、祝日 |
坪数客数 | 25坪46席 |
客単価 | 4500円 |
運営会社 | 有限会社二軒茶屋餅角屋本店、株式会社アクアプランネット |
オープン日 | 2018年8月3日 |
関連リンク | 伊勢角屋麦酒 八重洲店(FB) |
関連リンク | アクアプランネット |