三軒茶屋と言えば、世田谷通りと国道246号線に挟まれた「デルタ地帯」があって、食に対する感度が高いエリアの一つだ。レトロな面影を少し残した街並みに、最新のトレンドが入り込んでおり、独特の文化を生み出している。そうした背景を持つ同エリアに6月23日オープンしたのが「鉄板バルSOURCE」だ。運営するのは、たつみや(東京都目黒区 代表取締役 来田晃一氏)で、同社にとって4店舗目の展開となる。
同社の創業の地は大阪だ。そのため大阪市内でも天満の「Okonomi-yaki&Bar SOURCE」と中崎町の「Bar SOURCE」の2店舗を展開している。都内では2013年7月にオープンした中目黒で営業を行っており、多くの飲食関係者が足を運ぶなど、根強いファンを持つ。現在、キラーコンテンツであるお好み焼きの美味しさはもちろん、隠れ家的な雰囲気も受けて、グルメサイトでも高い評価を叩き出す。都内2店舗目となる同店でも、中目黒に引き続き「角打ちをお好み焼きで表現したら」をテーマに内装を作り込んで、お好み焼きとワインのペアリングを提案していく。今回、三軒茶屋への出店を決めた理由について、代表取締役の来田氏はこのように語る。「もともと二店舗目を出店するなら、中目黒の近くがいいと考えていました。具体的に挙げるなら、お酒を飲む人が多くいて、中目黒との親和性が高く、カジュアルな提案を楽しんでもらえるようなエリアです。そのように条件を絞っていった結果、三軒茶屋に辿りついて出店を決めました」。
そもそも来田氏が飲食を志したキッカケは二つ。それは大学時代のバーでのアルバイト経験と20歳の頃に両親が立ち上げたお好み焼き店だ。大学卒業後は、サラリーマンとして会社勤めをするものの一年で退職。その後、飲食業界で独立することを目指して、ミナミのレストランバーで料理に関する勉強を行う。2000年に、これまで培ってきた「バー」と「お好み焼き」の経験を生かして創業すると、少しずつ業態を磨き上げていって、「Okonomi-yaki&Bar SOURCE」と「Bar SOURCE」の2店舗を人気店に育て上げた。東京に進出したのは、2011年3月の頃だ。東京でお好み焼きを、当たり前の食べ物にしたい。もっとカジュアルに、大阪のソウルフードのお好み焼きを楽しんでもらいたい。そういう想いを持って上京して、当初は高円寺に出店。現在は主戦場を世田谷区と目黒区に移して、マーケットを開拓している。
同店の「お好み焼き」(490円)は、そのリーズナブルさだけでなく、見た目のインパクトも大きい。ただ厚みのある作りだが、ふんわりとした仕上がりなので、女性でも楽々と一皿を食べられるようになっている。この他にも、「ネギ焼き 醤油味」(650円)や「ソース焼きそば」(490円)、「関西風イカ焼き」(350円)、「豚平のり塩」(400円)といった、いわゆるB級グルメと呼ばれるメニューが並ぶ。その一方で、「パクチー冷奴」(450円)や「焼き野菜盛り合わせ」(650円)、「まるごとトマトのチーズ焼」(650円)といったヘルシーさを意識した料理も多い。
ドリンクの中心はワインだ。「オルセットオーロ トレビアーノ ダブルッツォ」(500円)や「プロキシモ」(500円)などのグラスワインだけでなく、赤・白・泡とボトルワインも豊富にラインアップ。鉄板料理とワインの相性の良さを十二分に味わえる構成となっている。また、「本日のまんまサワー」(650円)を「キウイ」と「バナナ」、「オレンジ」、「グレープフルーツ」の4種類で用意しており、ノンアルコールでの提供も行う。使用するフルーツは季節によって変わるので、その時々の美味しさを味わえるのも楽しみの一つだ。
今後の展開について、来田氏は「物件と人材がそろってからですね」と話すが、同社には長年働くベテラン社員が少なくない。東京進出の成功も、大阪時代のスタッフの力が大きかった。その経験とノウハウは、現在、東京のスタッフの感性と融合して、また新たな企業文化を生み出している。“ただ”と前置きして「あと2年くらいで、もう一店舗出せたらいいな」と控えめに語る同氏だが、その見通しは限りなく明るい。
店舗データ
店名 | 鉄板バルSOURCE |
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住所 | 東京都世田谷区太子堂4-26-13 Takekawa BLD 1F |
アクセス | 東急田園都市線・東急世田谷線 三軒茶屋駅から徒歩3分 |
電話 | 03-6453-2895 |
営業時間 | 月~土 18:00~5:00、日・祝日 17:30~2:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 20坪 27席 |
客単価 | 3000円 |
運営会社 | 株式会社たつみや |
オープン日 | 2017年6月23日 |
関連リンク | 鉄板バルSOURCE(FB) |