昨今、駅前に新たな商業施設「アトレ恵比寿西館」がオープンしたり、恵比寿ガーデンプレイスに横丁「BRICK END」ができたり、話題の店が続々とオープンし、再びにわかに注目を集めている恵比寿。老舗からトレンドの飲食店まで多く存在し、グルメの街としても懐が深い。昨年11月24日、恵比寿駅西口から徒歩2分ほどのGRANBELL EBISUNISHI BLDG7階にオープンした「おーる 日本料理×NEW YORK」もまたこの街らしい高感度な店だ。コンセプトは、“和食×ニューヨークブランチ”。「伝統で不変の和食に、トレンド最先端であるニューヨークの自由さを注入した」と話す代表の田中氏。金目鯛の煮付けがあれば、NYリブアイステーキも用意する。世界の最先端の楽しさと日本が受け継ぐ伝統の味、どちらも楽しめる新感覚ダイニングだ。「恵比寿はトレンド感度が高い街。NYの自由さも受け入れられる」と出店場所を決めた。
対局している和食文化とニューヨークの中心という発想の背景には、田中氏自身、ニューヨークやロサンゼルスでの経験がある。もともと“人を喜ばせること=エンタテイメント”が好きだったという同氏。「ITが今ほど発達していなかった当時、エンタテイメントといえば、食か音楽のどちらかしかなかった。」エンタテイメントの本場、LAやNYのレストランやカフェで、料理やサービス、空間を通じたエンタテイメントを学び、帰国。「五感すべてで楽しんでもらいたい。だから空間作りにもすごくこだわりました」。1号店を出した8年前からの構想を形にした。ビルの7階でエレベーターを降りると、すぐ目の前に広がるのは、清々しく開けた窓にオープンキッチン。そこを抜けると優しいクリーム色の壁に古材がうちこまれたメインダイニングには、ニューヨークで買い付けたダイニングセットがゆったりと並べられている。SOHOにあるホテルやカフェのイメージでつくり込まれた店内は、スタイリッシュやモダンというよりも、シンプルでナチュラルな心地いい空間に仕上げられている。
「伝統を守り続ける和食は不変なのに対して、NYの料理はトレンド発信源。その自由な発想を和食にも取り入れたかった」という同氏。NYでは、調理法を大胆にアレンジしてもすんなり受け入れられる環境がある。和食の軸を大切にしながらも、その自由な発想を“NYブランチ”という形に落とし込んだ。そして今のコースではそれが惜しげもなく楽しめる。「生ウニ和牛巻き」や「ロブスターのブラータチーズ」、和食の王道「のどぐろ炊き込みご飯」など、高級食材を惜しげもなくちりばめた7品。季節にあわせて旬の食材を取り入れるが、いずれも同店自慢の逸品を揃えた。一皿ずつにボリュームもあり満足感も大きい。アラカルトのラインナップも豊富だ。「高級食材をカジュアルに楽しんでもらいたい」。そんな思いからキャビアやロブスターといった食材を贅沢に取り入れる。前述したのはセントラルパークにある二つ星レストランの一皿からインスパイアを得たという「ロブスターとブラータチーズ」(1200円)は同店の看板メニューのひとつ。ほかにも「ズワイガニのコロッケ カニ味噌のタルタル」(850円)、「フグのから揚げ」(780円)、「ウニのクリームタリオリーニ」(1400円)、「NYフィレミニヨン」(2680円)など、季節のおすすめを揃えた40種類以上のメニューを用意する。
ドリンクは、ビール、焼酎、日本酒、ワイン、サワー系と一通り揃えているが、なかでも趣向をこらしたカクテルはオリジナリティに溢れていて面白い。「バナナキャラメリゼ」(850円)や「フローズン洋梨ヨーグルト」(900円)「マロンラテ」(750円)など、NYの自由な発想から生まれたカクテルにインスパイアされた多様な一杯が並ぶ。
今後について聞くと「次はNYかロスに出店」と迷いない答えが返ってきた。「日本料理はいまや世界遺産です。世界が注目している料理で、現地の人たちにも受け入れやすいように接点をつくってあげれば必ず流行ると思っています」と。目標は5年後。アメリカが育て、日本で花開き、そしてまた海外へ。そんな流れが飲食の世界をまた面白くするのだろう。
店舗データ
店名 | おーる 日本料理×NEW YORK |
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住所 | 東京都渋谷区恵比寿西1-9-7 GRANBELL EBISUNISHI 7F |
アクセス | 恵比寿駅から徒歩2分 |
電話 | 03-6455-1253 |
営業時間 | ランチ 11:30~15:00 ディナー 17:00~翌2:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 26坪・30席 |
客単価 | 4000〜5000円 |
関連リンク | おーる 日本料理×NEW YORK(FB) |
関連リンク | おーる 日本料理×NEW YORK(HP) |