酒場ラインとしても知られる中央線沿線の一駅・西荻窪にまた、元気な酒場魂が炸裂する楽しいネオ酒場「すっぴん」が(東京都杉並区、代表取締役 小林淳氏)が11月1日にオープンした。 “大人の縁日”というコンセプトのもと、毎日通える酒の場、酒場の原点がそこにある。串打した鮮魚の炭焼きと日本酒で大人の酒場を堪能する店は、親父”と愛される居酒屋の父、宇野隆史氏(楽コーポーレーション代表)のDNAを受け継ぐ。
有名女子大学もあり、古くから文化質の高い高級住宅地として知られる西荻窪。そんな街の志向を反映するようにワンランク上のビストロといったガストロノミー指数の高い店が少なくない。その一方で有数の大衆酒場の街としても広く知られる。なかでも駅南側JR線に沿った横町や駅前商店街には立ち呑み、やきとん酒場などが軒を連ね、夜毎賑わいを見せる。そんな通りのなかで、酒場ファンも足を止めるほどの熱い空気を放っているのが「すっぴん」だ。
前職は土建業に従事していた小林氏が独立を目指し選んだのが楽コーポーレーション(東京都世田谷区 代表取締役 宇野隆史氏)。飲食業界スタートは27歳と遅かったが、在籍7年、調理場から店長まで飲食のノウハウを研鑽し、業界から“親父”と慕われる宇野氏の酒場魂、楽のDNAをしっかりと享受してきたのだ。独立を決めた時には宇野氏から「ボクシング、土建業と体験してきたお前には出来る。ストーリーがあるから」と背中を押されたという。そして2012年1号店鉄板酒場「じゅん粋」を吉祥寺に出店から4年目、2号店「すっぴん」をオープンさせた。
ガラリの引き戸の入り口際に大きく構えるローカウンター。誰の目も引きつけるのが串打した魚やホタテなどの新鮮魚介を盛り上げたアイスベット。そしてカウンターの一角ではおばあちゃんの大きな火鉢なかで美味しそうに串刺しの魚や一本のままのネギがこんがりと焼かれている。火鉢は熱がこもり美味しく焼けるという。「すっぴん」の名物料理、小林氏一押しの炭焼料理である。毎日、築地や函館から直送される鮮度が自慢の「刺盛り」(2人前1280円)はいろいろな種類が入って売切御免の一品だ。「牡蠣串」(600円)をはじめ旬の魚介を主にし「魚介の炭焼き」(500円台〜)は8種類前後を用意する。魚介のほかに一本のまま豪快に焼く「炭焼下仁田ネギ」(500円)、「柚子田楽コンニャク」(300円)がある。一品総菜には「希望のモヤシ」(500円)、「卵ラン乱」(500円)などユニークなネーミングが並ぶ。日本酒のアテにはこってりとした「べっぴん盛」(880円と)さっぱりとした「すっぴん盛」(680円)と、店名の真意をさりげなく盛り込んでいる。
ドリンクのおすすめはたっぷりと飲んでほしく130mlオール500円で提供する日本酒。常時30種類を揃える日本酒のメニューは、入り口脇のカウンター席の後ろ、壁に貼った銘柄の札のみ。奥の席の人はわざわざそこまで来て写メで撮り見るという遊び心のある仕掛けだ。「スタッフとの会話も弾むし、席が離れていてもお客さん同士の会話のきっかけになって、みんなが仲良くなり楽しいから」とあえて作らなかった訳を明かした。ほかには強炭酸のニッポン炭酸にこだわった「サワー」、富士山麓ハイボール「すっぴん」(400円)、「厚化粧」(500円)、「生レモンサワー」(400円)といった酒場アイテムをきっちりと揃える。
御神輿や山車など独特の形態やデザインが随所に活きる空間はまた個性的。お祭りが大好きという小林氏の想いとその活気ある熱い空気を酒の場に反映している。彼の酒場魂は酒場を楽しむことにどこまでも真剣であり、愛が込められている。今後は「多店舗を出店するよりはきちんと自分の力が届く店を作りたい」と小林氏らしい酒場づくりを目指している。
店舗データ
店名 | すっぴん |
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住所 | 東京都杉並区西荻南3-11-11 |
アクセス | JR線 西荻窪駅南口より 徒歩30秒 |
電話 | 03-5941-6279 |
営業時間 | 日〜木17:00〜01:00 金・土17:00〜03:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 14坪・34席 |
客単価 | 3500円 |