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本格パスタのファストフード化に挑む!越後屋が、低価格パスタの新業態「自家製生麺専門 POTA PASTA(ポタ パスタ)」を4月1日渋谷マークシティ横にオープン

路面店は同社の人気業態「立喰い焼肉 治郎丸」。同じビルの2~3階にあるのが「POTA PASTA」だ
2階はカウンターのみ、3階はカウンターとテーブル席で構成。店内はさながらイタリアンバルを思わせる洗練された空間だ。「ファストフードとはいえ、安っぽさは出したくない」と代表の江波戸氏は語る
「奇跡のボロネーゼ」(380円)。A4~A5ランクの和牛端肉がゴロゴロと入り、圧倒的な商品力をみせる。パスタのボリュームは200g
「ワタリガニのトマトクリーム」(写真手前:560円)と「鯖と大葉のパスタ」(写真奥:460円)。魚介が贅沢に使用されている
オープンからわずか一週間で、現在の一日来客数は300名ほど。「すでに何度も来店くださる方もいてうれしいですね」と語る店長の松浦健介氏

(取材=中村 結)


京王井の頭線渋谷駅から徒歩3分。喧騒のメインストリートからわずかに奥まった渋谷マークシティ沿いの路地に、4月1日「自家製生麺専門 POTA PASTA(ポタ パスタ)」がオープンした。経営は越後屋(東京都港区、代表取締役:江波戸千洋氏)。時代と共に移り変わる消費者の潜在ニーズをいち早くキャッチし、「立喰い焼肉 治郎丸(以下 治郎丸)」や「炭火焼干物食堂 越後屋(以下 越後屋)」など、業界の常識を一新するような怪物繁盛業態を粛々と打ち出してきた注目の飲食企業だ。今回の新業態では、一皿330円~と破格に設定した新食感の生パスタを開発。これまで、既存のイタリアンレストランやチェーン店の多くで均一化していた1000円前後という価格の“聖域”に踏み込み、パスタ業態のファストフード化で国内外のマーケットに打って出る意気込みだ。

店舗はビルの2階・3階部分を占有し、カウンターとテーブル席で構成。お客はまず2階の入り口で食券を購入するシステムだ。キッチンには厨房スタッフ2名が常駐し、オーダー受注後、3~4分ほどで次々とパスタを茹で上げていく。今回の業態開発の経緯について、同社代表の江波戸氏はこう説明する。「乾麺のパスタは茹で時間が長いこともあり、客席回転数があまり見込めません。そうした要因もあって、従来の業態では、パスタ一皿に対し1000円前後という慣例化した価格設定に甘んじていた部分があるのではないかと。今回のPOTA PASTAでは、長い間ぽっかりと空いていたように見える“低価格の本格パスタ業態”というゾーンに本気で取り組み、このマーケットを勝ち取りに行くつもりです」。

太めでモチモチ食感の生パスタは、江波戸氏が越後屋の前身となる讃岐うどん専門店で習得したノウハウを用いて、「踏み込み」や「熟成」などの技法をデュラム小麦に応用した独自開発商品。これまでにないコシのある食感が実現すると同時に、約3~4分と、乾麺の半分以下の茹で時間で提供が可能だ。また、パスタとパスタソースはいずれも製造後に最新技術を使って急速冷凍。現場では冷凍パックを茹でて和えるだけというごく軽い調理オペレーションとなっており、本格パスタのファストフード化を実現している。今回は同社初のイタリアン業態。既存の干物や焼肉などといった業態に比べると、茹でる・炒めるなど料理的要素の比重が強まるにも関わらず、合理的かつ鮮やかな手法で新ブランドを立ち上げてみせた。

パスタメニューは全部で22品。イチオシとして挙げられている「伝説のミートソース」(380円)、「炭火焼サーモンハラスのトマトクリーム」(540円)、「奇跡のボロネーゼ」(380円)など6品の他、「イタリアンパセリのペペロンチーノ」(330円)などのオイル系や、クリーム系、トマト系、トマトクリーム系を取り揃える。特筆すべきはソースに使われている具材のボリュームとクオリティだ。「奇跡のボロネーゼ」に使われているのは、「治郎丸」で使用するA4~A5ランクの和牛端肉。同業態の大ヒットにより牛の一等買いが実現したため、切り分けた際に出る端材を使い、肉質がよく大ぶりな肉がゴロゴロと入った訴求力の高い一品を作り上げている。また、魚介系メニューに使われる鯖やサーモンハラスの炭火焼は「越後屋」で扱っている食材を、ワタリガニやウニなどのシーフードは、同社が昨年度買収した築地仲卸4社から原価で仕入れる海鮮を中心に使用。こうしたスケールメリットの活用により、低価格ながら確実に利益を確保し、魅力に富んだ商品ラインナップを実現しているのが特徴だ。ドリンクメニューは「アイスティ(アールグレイ)」(150円)、「生ビール」(290円)、「ワイン(白・赤)」(各250円)の3種類。小腹を満たす軽食にも、しっかりとした食事ニーズにも使い勝手のいい店舗となっている。

「業態を開発するときに、客席回転数とか細かい数字は全く考えません。大切なのは、世の中に“必要とされているかどうか”という本質的な部分を見極めること」と語る江波戸氏。“スケールメリット”、“冷凍技術”、そして“固定観念の刷新”というキーワードで挑んだ今回の新業態は、直近では大森や虎ノ門への出店が既に決定している。今後は直営店を全国に展開し、さらには海外進出も視野に入れていくという。オープンからわずか一週間で、既に熱心なリピーターを獲得している同店。「安くていいお店見つけた!」というお客の感動や熱気は、自然発生的に口コミとなって広がっていく。“本格パスタ”の価格概念を刷新するエポックメイキングなブランドが、いま渋谷にひっそりと芽を出した。

店舗データ

店名 自家製生麺専門 POTA PASTA(ポタパスタ)
住所 東京都渋谷区道玄坂2-6-7 2F・3F

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アクセス 京王井の頭線 渋谷駅から徒歩3分
電話 03-6416-3477
営業時間 11:00〜24:00
定休日 なし
坪数客数 12坪・25席
客単価 400円
運営会社 越後屋
関連ページ 「立喰い焼肉 治郎丸」(記事)
関連ページ 「越後屋代表取締役社長 江戸波千洋氏インタビュー」(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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