8月3日、秋葉原駅前から昭和通りを渡った裏秋葉に新時代の大衆酒場「さけときどきぶた」がオープンした。同店は、もつ焼きと自家製のスペアリブとソーセージなどの豚肉料理を看板にした大衆酒場業態。新時代と呼ぶにふさわしいのは、大衆酒場の目印でもある軒先の赤提灯がなく、20代から30代の若い世代をターゲットに入りやすくした新しいカタチの大衆酒場を構築しているからだ。
経営は、Top Welcome(トップウェルカム、千葉県行徳、代表取締役:迎憲一氏)。代表の迎氏は、高校生の時にケンタッキーフライドチキンでアルバイトを行ったことがきっかけで、飲食業の面白さに引き込まれていったという。大学進学後は、六本木の二期倶楽部でレストランサービスのベースを学んだ。銀座の高級焼き鳥店「はんぐりー」では、深夜営業や常連客への接客対応を。神田のレストラン&バー「ドラゴン」では、口から炎を出すパフォーマンスを習得し、エンターテイメント性のある接客から外国人客への対応までをこなし、より踏み込んだ接客を身につけた。その後、グローバルダイニングの「ZEST CANTINA お台場店」でアルバイトから店長になるなど、独立開業を夢見てステップアップしてきたのだ。しかし、グローバルダイニング出身の経営者としては珍しく、「カレーハウスCoCo壱番屋」のフランチャイズ加盟で独立。その後、ココイチを3店舗出店し、独立から7年目に満を持してオリジナル業態「さけときどきぶた」をオープンした。
看板メニューの1本100円から用意される「もつ焼き」は、おすすめとお客の好みを取り入れてくれる「串盛り」で注文するのがおすすめ。大衆酒場定番の「もつ煮」は2種類用意され、八丁味噌ベースに赤玉スイートワインを隠し味にして煮込まれた「もつ煮(赤)」と白味噌ベースの豆腐が入ったスタンダードな「もつ煮(白)」(各380円)を2つ注文するお客が多いという。注文が入ってから店内に設置された手動のカッターを使い、お客の目の前でカットして揚げられる「お前の芋フライ(男)」(450円)と「お前の芋フライ(女)」(550円)は、男がジャガイモ、女がサツマイモを使うユニークなネーミングで、思わず注文したくなる商品だ。中華スパイスを使った自家製の「さけぶたスペアリブ」(980円)とパラペーニョがアクセントの「自家製ソーセージ」(550円)は、試行錯誤を繰り返して生まれた名物メニューだけに、ここにしかない一品だ。ドリンクは、日本酒が半合480円、一合890円で本日の地酒として10種類ほど用意されるほか、バイスや焼酎ハイボール、カクテル類(各450円)も多数取り揃えている。
実は、ココイチの現役オーナーでは初となる独自業態を出店するという偉業を成し遂げている迎氏。FC加盟をしながら新業態を出店する前例がなかったため、本部に許可をとるのに1年ほどかかったという。「オリジナル業態を考えたときに、長く続く業態をつくりたいと思いました。お客さんと一緒に店の歴史が刻まれている大衆酒場を、大衆酒場に入りたいけど入り難いと感じている20代、30代の若い世代をターゲットに気軽にお酒を楽しめる『さけどきどきぶた』をつくりました」と同店の開発に込めた想いを迎氏は話す。多くのグローバルダイニング出身の経営者が、グローバル時代に培ってきた技術や経験を活かし、グローバル既存業態をアレンジした業態で独立開業を果たすなかで、迎氏はグローバルにはない大衆酒場をオリジナル業態とした。その理由は、一緒に店を切り盛りする料理人・武田恭介氏との出会いにある。二人は小・中学校の同級生で、武田氏はもつ焼きに従事して15年という腕前なのだ。自身はサービスマンで料理人ではないため、料理人の得意な分野でオリジナル業態を開発した迎氏。今後は「さけときどき」でシリーズ化し、東東京から千葉にかけて1年に1店舗出店展開を目指すという。新時代の大衆酒場の幕開きに注目だ。
店舗データ
店名 | さけときどきぶた |
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住所 | 東京都千代田区神田和泉町1-8-6 |
アクセス | JR、東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレス 秋葉原駅から徒歩5分 |
電話 | 03-5839-2988 |
営業時間 | 月〜金 11:30~14:30(LO14:00)、16:00〜24:00(LO23:30) 土・祝 16:00~21:00(LO20:30) |
定休日 | 日 |
坪数客数 | 10坪・24席 |
客単価 | 3000円 |
運営会社 | 株式会社Top Welcome |
関連リンク | 大衆酒場 さけときどきぶた(HP) |