数多くの複合ビルやゲーム店、アニメショップが立ち並び、様々な立場の人々が行き交うJR秋葉原駅の電機街口から徒歩3分のUDXビル向かいに、「粋なSTAND BAR URAAKIHABARA(イキナスタンド バー ウラアキハバラ)」が5月18日オープンした。同店は、2007年に創業した炭火焼鳥専門店「炭グリルBAR 裏秋葉原」と、浅草橋方面で2012年から営業する2号店「PIZZA BAR 裏秋葉原」に続く3号店目の出店となる。経営は、ゲームメーカー・ニトロプラスの飲食事業部から子会社として独立したグラスト(東京都千代田区、代表取締役 波多野潤氏)だ。この3号店では、旨口の純米酒と濃厚な塩気を持つ生ハムとのマッチングをフックに、和の要素を感じさせる創作小皿料理を提供するスタンディングバースタイルを採用。近隣のオフィスワーカーのちょい飲み需要や、2軒目、3軒目使いを見込み、周辺エリアでの知名度の普及を目指している。
系列3店舗の現場を統括するオーナーの波多野潤氏は、23歳の頃、ワーキングホリデーを利用した海外滞在で初めて飲食業を経験。帰国後はフレンチレストランや寿司店、ホテルなど、様々な場所で幅広く料理修行を積んだ。2000年代後半に横浜でイタリアンレストランのシェフを務めていた際、料理の腕を見込まれたのがきっかけで、1号店のオープンに至ったという。「実は秋葉原は都内有数のオフィス街であり、行き交う人の数も多い。それに対して一つの料理に特化した専門店の数がさほど多くなく、需要に対して供給が追いついていない面がありました。裏秋葉原は元々自分が料理としてすごく好きだった焼き鳥の専門店でスタートし、ナポリピッツァ、日本酒の立ち飲みと、街のニーズを見込んだ業態を立ち上げてきたイメージです」と語る。
「粋なSTAND BAR URAAKIHABARA」では、福島県で約300年の歴史を持つ花春酒造の「花春 濃醇純米酒」をアルコールのメインに据え、その他約10種類の日本酒を常備。イタリア・サンダニエーレのプロシュートや自家製のサーモンマリネと合わせた際の、“旨口の日本酒と塩辛いつまみとの好相性”を全面に推し出している。そのほかに、カツオの酒盗と塩辛をバターに絡めたソースが印象的な「塩辛ハッシュドポテト」(410円)や、「肉じゃがチーズグラタン」(680円)、日本酒をかけたアフォガードも可能な「ソフトクリーム」(350円)など、500円前後をプライスレンジに設定した創作小皿料理を約40種類ラインナップ。ベーシックな家庭料理からかけ離れすぎない日本人好みの味わいに、フレンチやイタリアンといった要素を盛り込んだ独自のメニューには、それぞれに熱心なリピーターのお客が付きはじめているという。また、立ち飲みカウンター側の打ちっぱなしの壁面には、秋葉原という場所柄を感じさせるカラフルなグラフィティが一面に描かれており、同店は外国人客に対する話題性も提供。2020年の東京オリンピックにおけるインバウンド需要も見込んだ業態として作られている。
「裏秋葉原」という店名は、“裏原宿=通称ウラハラ”のように、メインストリームではないものの、スタイリッシュで人気と実力を兼ね備えた場所の連想から付けられたもの。グラストでは、今後ドミナントで5店舗までの展開を予定しているという。1号店の開店当初は、親会社の接待利用や社員食堂的な意味合いが強かったという同社は、何故3店舗まで順調に推移できたのだろうか。波多野氏は「幸いなことに、業態作りやメニュー開発に関しては、これまで100%自分のやりたいようにやらせてもらいました。いろいろな側面からの意見を受け入れると、却って店の立ち位置がブレてしまう。本当に自分がやりたい店を信じて作ってきたことがよかったのかもしれません」と語る。ドミナント展開が順調に進んだ後には、長年の夢であるオーストラリアへの進出も計画しているという。秋葉原エリアでの同社の今後の活躍に要注目だ。
店舗データ
店名 | 粋なSTAND BAR URAAKIHABARA(イキナスタンド バー ウラアキハバラ) |
---|---|
住所 | 東京都千代田区外神田4-3-11 クリハラビル2階 |
アクセス | JR 秋葉原駅・銀座線 末広町駅から各徒歩3分 |
電話 | 03-3523-5666 |
営業時間 | 11:30〜15:00、18:00〜23:00 |
定休日 | 日・祝 |
坪数客数 | 17坪 33席 |
客単価 | 2800円 |
運営会社 | 株式会社グラスト |