ゼットン代表稲本健一氏は1995年、名古屋「ゼットン」のオープンを皮きりに様々な業態を開発。看板ブランド、ハワイアンをテーマにした、2005年オープンの「Aloha Table(アロハテーブル)」をスタートとして、全国にハワイアン業態を41店舗展開。ハワイホノルルに本店を構える。現在、ゼットンは公共の飲食事業含め多種多様な78店舗を運営。ハワイのほか韓国にも直営3店舗を出店し、グローバルに展開する。今回、日本の飲食業界を索引する稲本氏と池袋、北千住、中野などに大ヒットビストロ「Agalico(アガリコ)」を6店舗運営し、メニュー開発のプロデューサーとしても活躍する、ビッグベリー代表大林芳彰氏がタッグを組んだ。コンセプトはおそらく世界初となる、ハワイアンとメキシカンの新業態“Hi-Mex”と称した、新しいスタイルのカジュアルビストロ「Aloha Amigo(アロハ・アミーゴ)」だ。
共同開発のきっかけについて稲本氏は「大林氏とは数年前から公私ともに付き合いがあったが、今年3月ハワイで数日間過ごし、飲食店めぐりや飲食談義、サーフィンなどを通して、お互いの感覚をぶつけあったことがきっかけ。大林氏の下町バル感やテンションの高い雰囲気、メニューや価格をみて、飲食の“今っぽさ”をおさえていると強く感じた」「池袋の物件が浮上した際、池袋でヒットしている大林氏とタッグを組んで、新しい業態にチャレンジしたいと考えた」と話す。コンセプトについて「ハワイアンとメキシカンは、どちらもゆるい空気感が共通する。ありそうでないこの組合せは、アメリカでも受けるのではないかと直感した。既存店の『アロハテーブル』は総売上の半分以上を昼間につくる。この強みを生かし、昼はハワイアンで夜はメキシカンをベースにした」という。
メニュー開発を行なった大林氏は「ヘルシーでありながらハイテンション」をテーマに、ランチでは既存店「アロハテーブル」の人気メニュー「オリジナル・ロコモコ」(980円)や、野菜スープで食べる麺メニュー、ガスパッチョ仕立てのピリ辛ベジポタスープ「12種類のトマトフォー」(890円)など、どのメニューもボリュームがあり、ドリンクバーとスープ付きで満足度の高い価格だ。全粒粉をオリジナルミックスし、豆乳ホイップを使用した「オリジナル・パンケーキ ベリーMIX」(1080円)、昨今注目されている「アサイーボウル ココナッツマンゴーボウル」(630円)など、ランチからカフェタイムはハワイアンメニューが並ぶ。
夜は定番のバルメニューをハワイアン・メキシカンでアレンジし、池袋にまだないメニューを開発した。タパスは2つの価格帯350円、550円で構成。「ハラペーニョ&クリームチーズ・フリット」(350円)は、ハラペーニョの中にクリームチーズをいれて揚げたもの。「メヒコ・ミートボール」(550円)は、スパイシーなミートボールにまろやかなチーズ、パクチーが絶妙な組合せだ。メインは新感覚、ほうれん草のトルティーヤの生地に具材をのせて焼いた、新しいタコス料理「タコティーヤ」(980円)。手羽の素揚げにソースをからめた「バッファローチキンウィング」(8pcs 600円、12pcs 850円)。鉄板でマリネされた肉や魚をグリルし、トルティーヤに巻いて食べる「ファフィータ」(1280円~)など。アルコールはハウステキーラ(300円)、「AGABE100%テキーラ」(400円~)のほか各種揃う。ビールは「パイナップルビール」、ライムを入れた「チェラーダ」(各550円)、ハワイやメキシコのクラフトビールもボトルで揃う。トロピカルカクテルはダークラムを使用した「ジャワイアン・モヒート」(650円)、「マンゴー・マイタイ」(750円)などリーズナブルな価格帯で提供。テキーラとタパス1品でバル使いから、しっかりと食事まで楽しめるメニュー構成だ。
稲本氏は「池袋の消費感覚は日本のスタンダードではないかと分析している。ある意味、池袋でうまくいけばどこに出店してもうまくいくと思う。まずは池袋を皮切りに、ゆくゆくはハワイでそしてメインランド、アメリカで出店したい」と話す。新店「アロハ・アミーゴ」の店内からは公園が眺められ、インテリアは絶妙なゆるさでつくられている。ランチからディナーまでの通し営業で、ノーチャージだ。客の利用動機に合わせて使い勝手がよいメニュー構成となっている。ランチはヘルシーなハワイアンを。週末はブランチで昼飲みを楽しみ、カフェタイムにはパンケーキとコナ・コーヒーを。夜はテキーラと多彩なメキシカンタパスを武器に世界戦略業態が西池袋で始動する。