横浜、湘南エリアに「いち稟」「プクプク」「博多もつ鍋・薩摩鶏うる虎」「ハイサイ うる虎」「ワイン酒場COLTS」など12店舗を経営する外食文化研究所(代表取締役:水口憲治氏)の新店舗「炭火串焼&ワイン ヴァンプーレ」が、関内に2月15日オープンした。店は市営地下鉄関内3番口を出て、関内大通りの路地を入りすぐの好立地。縦長の1軒家3階建てで、ライトアップされた赤い看板には、にわとりのイラストが描かれている。串焼業態での出店について水口氏に話を伺った。「95年にロードサイドの焼き鳥屋を始めて、シンプルだからこそ誤摩化しが効かない、串の刺し方で全く味が変わる焼き鳥にはまった」と話す。店で出す焼き鳥は山梨県産の朝挽き信玄鶏を使用し、串の刺し方にもこだわる。例えば、こりこりとした食感のナンコツにはネックを少量間にはさむことで弾力感がプラスされる。いわば、創作串焼き。
「関内にはチェーンや、大衆焼き鳥屋はあるが女性が入りたいと思うような店はまだ少ない。炭で焼く串焼きをベースに、おしゃれで気軽に女性も入りやすいような、串焼きワインバルをコンセプトとした店を考えた」と話す。女性のこころをつかむ特徴的なサービスとして、お通しは産地直送・三浦野菜のバーニャカウダ。ざるに盛られた新鮮な野菜の中から、2種類は好きな野菜を選ぶ。1種はスタッフのおすすめ。取材日は、苦みの少ないほうれん草や、甘いむらさき人参。驚くほどみずみずしいラディッシュ。その他、鶏を使用した自家製白レバーパテやコンフィ、ハモンセラーノなどのバルメニューが加わる。
看板メニューの串焼き「自家製つくね」(250円)は信玄鶏のもも、胸、なんこつを配合し大葉を加え、ハンバーグのようなボリューム感で濃厚なたれとマッチしている。ももを開いた部分の「ソリレス」(220円)は、とてもジューシーな味わい。その他、せせりの上部分「ショルダー」(180円)など、他では見かけない希少な部位が多い。4週間熟成された旨味と甘みのつまった「熟成肉串焼き」(1本500円)。「鶏白湯しゃぶしゃぶ」(1180円)は、鶏のガラともみじのみを使用。10時間以上炊き上げた鶏ガラスープは鶏の水分と油が乳化を手伝い、濃厚かつまったく臭みを感じない味。このスープで食べる鶏のしゃぶしゃぶ、〆の鶏そばは絶品。ドリンクは本日のグラスワイン赤、白とも450円~600円。串焼き、熟成肉に合わせたワインのおすすめはスパイシーな「ティリアカベルネソーヴィニョン」「ストーン・セラーズ・メルロー」(各3000円)。ワインは赤、白ともにボリュームゾーンは3000円台。その他、ビール、カクテル、焼酎などを一通り揃える。
水口氏は代表の業務をしながらも、新人のトレーニングを自ら行なっている。「最初が肝心。大切なことはプロ意識をもってもらうこと。接客やクリンネスについても、教えるのではなく自分で考え必要性、重要性を理解してもらう」。接客もユニークだ。客との関係を一歩近づける工夫として、ファーストオーダーをとりに行く際、スタッフの自己紹介を取り入れている。そうすることでセカンドオーダーが取りやすくなり、客との距離も自然と近くなっていく。今後の展望について「神奈川県内に50店舗出店したい。出店戦略は駅2分、乗降客数5万人以上の立地。出店立地に合わせて臨機応変にコンセプトを組んでいく。店舗を増やすためには何よりも人材が大切。アルバイトは優秀な人材に育つことが多い。今後はアルバイト店長も視野にいれて組織として成長していきたい」と話す。