人気の立ち飲みワインバル、「富士屋本店ダイニングバー(渋谷)」、「富士屋本店グリルバー(三軒茶屋)」に続き、広尾駅から1分の好立地に「Bistro Hirondelle (ビストロ・イロンデル)」が10月17日オープンした。経営はダイニング富士屋本店。店長兼料理長の重松大樹氏は仏料理店「クイーン・アリス」出身。デザート開発の責任者を務めながら、舞浜店、晴海店など数々の店舗開発に携わり、イベントでは総料理長である石鍋シェフに同行し各地を巡った。11年間従事していたが、新しい事にチャレンジしたいという思いが募り、転職を決めたという。レストランではなく、ビストロやバルといった新業態に興味を感じていた。人づてに同社社長と「富士屋本店ワインバー」で出会い、働き始める。「上京してからずっとレストランで働いていたので、立ち飲みという業態は衝撃的だった。お客さんとの距離が近く、キッチンはライブ感がある。何よりもみんな楽しそうだった」と当時を振り返る。その後、「富士屋本店ダイニングバー」の立ち上げ、店長に就任。翌年は「富士屋本店グリルバー」の立ち上げ、店長を務める。 重松氏は系列店のオリジナルメニューを数々つくりだしている。たとえば、エスニック料理の香草をアレンジした「香草ボンバー」。ワインバルでパクチー?この人気メニューが生まれた経緯を聞くと「実家は佐賀で割烹料理を営み、父は研究熱心な料理人。せりを使ったサラダをつくっていた。そこからヒントを得た」と話す。重松氏は幼い頃から家に数百冊ある料理の写真集を読んでいた。小学校低学年の頃から「dancyu」を愛読。次第に料理の世界に魅了され、夢は料理人だったという。 メニューについて「ビストロという正統派が多い中で、オリジナルティーを出すことを意識した。特に前菜と、デザートは客の印象に一番残ると思うので、絵画のような美しさで仕上げ、驚きや感動をプレゼントしたい」と話す。店名の「Hirondelle」=「ツバメ」をモチーフとした「サラダリヨネーズ イロンデル風」(1100円)はジャガイモで作ったかごをツバメの巣に見立て、中に野菜や鶏のレバーやハツを入れ、上に半熟玉子をのせたもの。料理はハーフサイズの注文にも応じてくれるのがうれしい。デザートの「Hirondelle風ショートケーキ」(1100円)は、いちごをコアントロー、グランマニエ、シャンパンでマリネし、さらにピューレにしたものがソース。バニラアイス、いちごシャーベット、スポンジにマスカルポーネをエスプーマしたものを加える。「ショートケーキの再構築がテーマ」と話す。コンセプト・雰囲気はビストロでありながら、ガストロノミーだ。 ワインのセレクトはソムリエの牧氏が担当。系列店舗の店長3人と試飲会で味を吟味し、3店舗で各店の個性に合わせたセレクトをしている。日替わりのグラスは600円〜。常時赤・白合わせて8種類。シャンパンは800円から。ボトルワインは赤・白・ロゼ・シャンパンなどを75種。「食後にはコーヒーだけではなく、食後酒としてカルバドスやコニャックなどを一杯500円から提案。もうけ度外視のサービス価格だが、母体が酒屋のためお客さまが低価格を期待している。満足度の高い価格設定を心がけている」と牧氏は話す。 今後の展開について重松氏は、「多様な業態の店舗を立ち上げていくことが楽しい。本来は3年後、5年後と未来を描いて突き進むべきだと思う。だが、飲食はトレンドの移り変わりが激しい。まずは、目の前の仕事を一つずつ、確実に手ごたえを感じながら、出来るだけ多くの料理や、店舗をつくり会社に貢献したいと思う。いずれは、フランチャイズも視野に入れながら、新業態を展開していきたい。アイデアもたくさん生まれてきている」と話す。アーティストのようなシェフが作り出す独自の世界観をぜひ体験してほしい。
店舗データ
店名 | Bistro Hirondelle(ビストロ・イロンデル) |
---|---|
住所 | 東京都港区南麻布5-15-25 |
アクセス | 地下鉄広尾駅より徒歩1分 |
電話 | 03-6450-4289 |
営業時間 | ランチ11:30~14:00、ディナー18:00~24:00 |
定休日 | 月曜 |
坪数客数 | 25.5坪・28席(カウンター6席) |
客単価 | ランチ1000円、ディナー5000円~6000円 |
運営会社 | 株式会社ダイニング富士屋本店 |