新宿から京王線で2駅の代田橋駅から徒歩10秒という立地に、「肉汁餃子製作所ダンダダン酒場 代田橋店」が11月8日、オープンした。ランチやディナータイムはもちろん、アイドルタイムにも近隣に住む人たちが次々にやってきては、焼きたての餃子を買い求めていく。「代田橋で店をやっていくのは難しいと、いろんな人から言われました。でも、街の顔ともいえるこの場所ならやっていけると、直感したんです」と話すのは、この店を運営するNATTY SWANKY(ナッティスワンキー・東京都調布市)の取締役副社長、井石裕二氏だ。NATTY SWANKYは、調布を中心に「らーめん・ぎょうざ専門店 虎ジ」、「ジャパニーズ・レストラン modern Japanese スタボン」など8店舗を展開しており、「肉汁餃子製作所ダンダダン酒場」は、調布、聖蹟桜ヶ丘に続いて3店舗目の出店となる。代田橋のこの店舗は以前、大手ドーナツチェーンが長年店を構えていたところで、近隣の人たちにとってはなじみ深い場所。出店を決め、工事をしている時から「何ができるの?」と声をかけられることが多かったそうだ。その期待感は客足となって現れ、開店から連日、行列ができるほどの人気店になった。 この店の看板メニューは、来店客のオーダー率100%という「肉汁焼き餃子」(6ヶ入り・460円)で、1日3000個をスタッフが毎日手包みしている。餃子の皮には小麦の全粒粉を使っており、本場中国のものよりも薄い、日本の家庭で食べられている餃子を意識しつつ、ビールに合うように井石氏が研究したオリジナルのものだ。底がパリッとして外側はモッチリ、一口食べると、厳選された国産豚の肉汁がジュワッと出てくる。この他、分厚いメンマを濃いめに味付けした「自家製おつまみ支那竹(メンマ)」(380円)、代田橋で特に人気の「悪魔的にうまい香菜(パクチー)サラダ」(480円)、アイスクリームに秘密のたれをかけ、パリパリに揚げた餃子の皮を添えた「餃子アイス」(290円)などが並ぶ。ドリンクは、「餃子とビール」というこの店のコンセプトにもなっている生ビール(480円)をはじめ、酎ハイ各種(380円~)、ハイボール(480円)などで、このうちオリジナルのダンダダンハイボール(480円)は、角ハイボールの上にビールの泡が乗っているというユニークなものだ。 店内は、白と木目をベースに、赤がアクセントになった中国屋台風で、カウンターとテーブル席、合わせて32席。店の奥には迫力ある龍が描かれ、白い壁のあちこちには、「餃子ラブ」「餃子を愛し代田橋を愛す、それが我等の心意気」などの短い言葉が書いてある。龍はこの店のロゴを描いたデザイナーが、言葉は店で働くスタッフが書いたもので、餃子とこの街に対する想いが伝わってくる。 代田橋に出店したのは、「街を盛り上げたい!」というNATTY SWANKYの想いがある。IT会社のサラリーマンだった井石氏が、同社の代表取締役田中竜二氏とともに会社を設立したのは11年前。調布に出店したのは、自身が府中に長く住んでいたということと、「飲食店は好きだが、自分が行きたいと思う店が近くになかったから」だという。調布では来店客から「店ができたおかげで、街や通りが活気づいた」と喜ばれており、「飲食店には街を変える力がある」と井石氏は確信している。代田橋駅の乗降客は1日2万人。しかし駅周辺に飲食店は少なく、チェーン店の居酒屋すらない。井石氏は、店舗を見に来るまでこの駅に降りたことはなかったそうだが、「初めて来た時、駅近くの小さな飲食店が賑わっているのを見て、この街のお客さんには飲食店に求める潜在的ニーズがあると思いました」と語る。その直感が当たり、昼は年配の人を含む幅広い年齢層の客で、夜は30歳前後の若い客を中心に、連日賑わっている。 「餃子酒場という業態は、今後も伸びる可能性があるので、タイミングが合えば出店を増やしていきたい。味がブレないようにレシピは確立していますし、スタッフもいい人が集まってきてくれています」と自信をのぞかせる井石氏。府中などの京王線沿線を、もっと活気のある街にしていきたいという。飲食店で街を元気にするというNATTY SWANKYの想いは、これからもますます広がっていきそうだ。
店舗データ
店名 | 肉汁餃子製作所ダンダダン酒場 代田橋店 |
---|---|
住所 | 東京都世田谷区大原2-27-34 |
アクセス | 京王線代田橋駅より徒歩10秒 |
電話 | 03-3323-7100 |
営業時間 | 11:30~14:00 、17:00~24:00 (持ち帰り餃子は11:30~24:00) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 11坪・32席 |
客単価 | ランチ 800円、ディナー 2500円 |
運営会社 | 株式会社 NATTY SWANKY |