JR神田駅北口エリアに、新たなカジュアルワイン業態が誕生。その名も「普段着ワイン酒場 GETABAKI(ゲタバキ)」(運営:グッドイマージェンス、代表:臼杵慎氏)。これだけカジュアルワイン業態が増えたとは言え、神田駅北口周辺はまだまだ参入が少ないエリア。「人形町や神田須田町辺りをイメージしていました。この辺は1~2ヵ月リサーチして回り、『ワインホール神田小西』さんが当たっているように、低価格のワインとおいしい料理があれば需要は多いと思ったのです」と臼杵氏は話す。コンセプトは“気取らず、普段着で飲めるワイン酒場”。普段着という意味で、“下駄履き”で通える店にしようという考えから、ストレートに想いを表現した店名をつけた。 臼杵氏の飲食業界参入は、学生時の飲食店でのアルバイト経験から始まる。その数なんと800軒というから驚きだ。大学卒業後はシャノアールに入社し、新業態の立ち上げなどを経験。29歳でキハチに転職。その後は、馬車道「モダンパスタ」のエリアマネージャーなどを勤めたという。「その頃、父に入院介護が必要となったので、独立しました」(臼杵氏)。フードコンサルタントとして独立した後、名古屋のカフェチェーン・スイートスタイルの副社長に就任する。2010年末には、上場準備に入っていた「大阪王将」グループ・イートアンドのレストラン事業部本部長に。「ワイン業態がやりたかったのですが受け入れてもらえず、なら自分でやろうと独立しました」と臼杵氏。多くの中小飲食店、大手飲食企業での経験の活きた店が、神田に立ち上がったのである。 現在115種類を用意したワインは、スタッフがすべて試飲し「美味しい」と感じたものをセレクト。ボトルは1800円、2400円という2タイプの均一価格で用意。そのほかは、標準小売価格+1000円で注文が可能。「1800円均一を打ち出した店は、神田では他にないはず」と臼杵氏が言うように、圧倒的なコストパフォーマンスで、他店との差別化を図った。「お客様にワインを選ぶストレスを感じさせない店にしたいと思いました」と言う臼杵氏。ワインリストにあるコメントは、スタッフの率直な感想のみ。「ワインにうんちくはいらない!」との考えから、ワイン初心者でも選ぶに困らない表記とした。今後は、飲んだ客の感想コメントをワインボトルに掲げ、よりワインを選びやすい環境を作る試みを実施する予定だという。常駐のソムリエは、臼杵氏の奥さんである臼杵由紀氏。「青柳」「モナリザ」「Q.E.D. CLUB」などの一流店で従事してきた経歴を持つ彼女がいることで、サービス面を充実させ、ワインを知る客も取り込めるようになっている。 メニューは「しょうゆせんべえ」(200円)、「蒸し鶏のタプナードソース」(500円)などの“すぐ出るオツマミ”や、「グリル野菜のマリネ」(750円)、「厚切り!! イベリコ豚のパテ」(780円)といった“GETABAKIオススメ”などを用意。肉料理には、湘南のみやじ豚や秋田産白神さくら牛などをシンプルにソテーやグリルで提供する。厨房に立つのは、オーガニックイタリアン出身の店長・仲内寛氏、カフェ出身の石川芳雄氏の2名。両者ともに、前職は自身で店を経営していたオーナーだという。「料理から店の運営まで任せられるので、引き抜きました」(臼杵氏)と、店舗展開を視野に入れた人材の採用を行なっている。 現在も引き続き、次店舗の物件を探しているという臼杵氏。神田駅北口エリアでのドミナント展開で、2年以内にあと2店舗は出店する考えだ。企業名のイマージェンスは“創発”の意味。企業としてのミッションに、“社会貢献・毎年、目に見える寄付をする”、“従業員のやりがいのある場の提供”、“従業員の待遇、家族の安定保証”の3つを掲げ、社会と従業員にさまざまな形で還元できる企業を目指す。4月に立ち上げられたばかりの同社だが、これから神田駅北口エリアでワイン酒場を牽引していく存在になっていくだろう。
店舗データ
店名 | 普段着ワイン酒場 GETABAKI(ゲタバキ) |
---|---|
住所 | 東京都千代田区神田須田町1-12-6 |
アクセス | JR神田駅より徒歩6分 |
電話 | 03-6206-4561 |
営業時間 | 月〜土15:00〜24:00(フードL.O.23:00、ドリンクL.O.23:30) |
定休日 | 日・祝 |
客単価 | 3000円 |