“青森とつながる場所”。「青森PR居酒屋 りんごの花」の看板には、同店の思いが店名とともにそう力強く記されている。同店を経営するのは 地方の宝物(東京都新宿区、代表取締役:坂本真奈美氏)で、経営者の坂本氏と店長の小池政晴氏の「食を通じて青森を盛り上げていきたい」との思いの詰まった郷土色豊かな居酒屋だ。オープンは1月6日で、場所は四谷三丁目~曙橋の中間地点に位置する荒木町。
青森と言えば、昨年末に八戸~新青森間が開業して東北新幹線が全線開通し、東京からもグッと行きやすくなり改めて注目を集め出した、いま話題の地方都市である。「りんごの花」経営者の坂本氏は青森の出身で、大学進学を機に地元青森を離れて遠く静岡へ。その後、神奈川にある食関係の企業に就職して様々な経験を積み、今回、東京にて起業を果たしたのだった。坂本氏にとっては「飲食店を開業したい」と言うよりも「起業したい」との思いがまず先にあり、“起業塾”などに足を運ぶうちに、これまでずっと食関係の仕事に従事してきたこと、そして自分が青森出身と言うことから「りんごの花」の構想を固めていったのである。
一方、店長の小池氏は長らく飲食店で働いた後、営業職に転職し、2年半の間、毎月青森に通う仕事を担当。この会社で坂本氏と出会ったことから“青森”をキーワードに意気投合し、2人で「りんごの花」を立ち上げたのだった。坂本氏は青森を離れたことで、客観的に青森の魅力を再認識することができ、小池氏は青森に触れることで、これまで知らなかった魅力を肌で感じ取ったのである。
青森を売り物にするものの「りんごの花」は決して郷土料理の店というわけではなく、青森の食材を使った料理を楽しませる居酒屋であると自店のことを位置づける。青森にはニンニク、ゴボウ、長イモ、イカ、サバなど“日本一”の食材が豊富にあり、こうした食材を前面に打ち出した料理を提供することで青森のことを知ってもらうのが狙いである。メニューも「にんにく丸ごと揚げ」(680円)や、「長芋のバターソテー」(480円)、「奥入瀬ガーリックポークの角煮」(780円)、「青森シャモロックの溶岩焼」(780円)、「馬肉のスモーク」(680円)など、素材の持ち味をシンプルに引き出した魅力の品々が盛りだくさんに並ぶ。アルコールも「青森りんごサワー(ふじ・王林・紅玉)3種飲み比べセット」(780円)など青森色を強めた商品を揃えて魅力を高めている。
また、店づくりにも青森の魅力をふんだんに取り込んでおり、照明は金魚のねぷたを笠にしたインパクトの強いものを採用。42インチの大型モニターで青森のイメージ映像をスライドで流したり、店内の一角には青森の観光案内のパンフレットを陳列したコーナーも設ける。料理だけでなくこうした店づくりにも配慮を施すことで、五感を通じて青森の魅力に触れてもらうのだ。
坂本氏は今回の起業に当たり、「私の出身である青森県にある、おいしいものを少しでも多くの人に知ってもらい、さらに青森の自然・観光地・伝統工芸などを知ってもらい、ヒトの素晴らしさを知ってもらう。そして、いままで青森に興味がなかった・よく知らなかった方を青森に行きたいと思わせ、青森への観光客を増やす。そして、青森を魅力ある県にし、住みやすい環境を作るお手伝いをすることが目的です」と、自らのブログにその思いをつづっている。
「りんごの花」はその目的達成のための“食べる青森物産館”なのである。店名の「りんごの花」は、りんごが青森の県花であることから採用したもので、女性が親しみやすい魅力ある店づくりを目指している。目標月商は250万円で、将来的にはランチ営業も視野に入れるなど、日々、青森の魅力発信に全力で取り組んでいる。
店舗データ
店名 | 青森PR居酒屋 りんごの花 |
---|---|
住所 | 東京都新宿区荒木町11-24 |
アクセス | 地下鉄曙橋駅、地下鉄四谷三丁目駅より徒歩5分 |
電話 | 03-6380-6724 |
営業時間 | 17:00~23:30(L.O.23:00) |
定休日 | 日曜 |
坪数客数 | 13.68坪・25席 |
客単価 | 4000円 |
運営会社 | 株式会社地方の宝物 |