「忍庭」「川のほとりで」「AZOOL」「九楽々」「惣八」「鶏大名」など数々の繁盛業態を手がけるMED Dining(東京都中央区、代表取締役会長:掛本明夫氏)が今年3月より新たに力を入れる業態が「東京鮪酒場」だ。3月に1店舗目の八丁堀店を開業し、その成功を受けて5月に茅場町店を、そして今回、8月24日に3店舗目の神田東口店を開いた。八丁堀店は26.5坪・65席で月商700万円を上げており、茅場町店も22坪・60席で月商500万円の手堅い売上を確保。そして神田東口店は20.81坪・64席で目標月商700~800万円を掲げる。
MED Diningと言えば、10年前に東京、恵比寿に創作ダイニングバー「忍庭」を開業。個室ダイニングの先駆けとして一世風靡した企業だが、そうした魅力を大切にしながら現代という時代性にも果敢に挑戦し、現代人の志向を捉えた新業態を開発。その一つが「東京鮪酒場」である。三重県尾鷲三木浦漁港、岩手県大船渡漁港、長崎県長崎漁港、静岡県沼津漁港から直送される鮮魚と同様に干物も日本各地の物を揃え、気どりのない“酒場”でこだわりの鮮魚を存分に楽しませる売り方を採用する。
一番の売り物は店名にも名づけたマグロで、しかも1本丸のまま仕入れる生の国産本マグロだ。メニュー表にも「長崎漁港からのこだわりの生本鮪」と謳い、商品ごとに「一般価格」として一般飲食店での価格も一緒に表示することで、同店ならではのお値打ち感を前面に打ち出して差別化を図る。例えば刺身は、「生本鮪大トロ・中トロ・赤身の盛り合わせ(6枚)」が1039円(一般価格1700円以上)、「大トロ(5枚)」が1449円(一般価格2000円以上)、「中トロ(5枚)」が1134円(一般価格1700円以上)、「赤身(5枚)」が924円(一般価格1200円以上)といった具合だ。同様にすしも「松」が1764円(一般価格2200円以上)、「竹」が934円(一般価格1200円以上)、「梅」が724円(一般価格1000円以上)と表示。マグロの一品料理も各種揃え、「鮪ほほ肉の炙り焼き」(588円)、「日々限定巨大鮪かま焼き」(1449円)、「鮪の酒盗」(451円)、「鮪のくんせい」(535円)、「炙り鮪ネバネバ山かけ」(609円)、「ねぎ鮪串焼き」「鮪の串かつ」(各336円)、「鮪のコロッケ」(472円)、「鮪のガーリック揚げ」(903円)、「鮪のねぎ間小鍋」(556円)等々、まさにマグロづくしの魅力を楽しませている。
マグロ以外の魚も全国から産地直送にて多数揃え、魚好きのお客を集客。その魚介も「現地で安く価値のある物を送ってもらう」スタイルを取るため、悪天候で漁ができない時は魚が入らないことも起こりうる。そこで、入荷した魚に合わせて料理人がメニューや価格を決め、「腕でカバーする」ことをメニュー表できちんと謳い、お値打ち感の高いバラエティー豊かな品揃えを実現している。
アルコール面では“トリスハイボール”に力を入れ、スタンダードな「トリスハイボール」(357円)から、「大名ハイボール(多め)」(567円)、「小名ハイボール(濃いめ)(441円)、「将軍ハイボール(多め・濃いめ)」(640円)、果実系の「柚子ハイボール」(388円)、「生レモンハイボール」(441円)など、実に11種も揃える。
「東京鮪酒場」は従来、同社が手がけてきた業態よりも初期投資が抑えられ、利益を生みやすい業態として期待を寄せており、10月下旬~11月頭頃には同じく神田にもう1店舗出店を控えている。さらに将来的にはFC展開も視野に入れるなど、同社の新しい主軸となる業態として育つのか、大いに関心の集まるところだ。
店舗データ
店名 | 東京鮪酒場 神田東口店 |
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住所 | 東京都千代田区鍛冶町2-3-14 |
アクセス | JR・地下鉄 神田駅より徒歩3分 |
電話 | 03-5207-9766 |
営業時間 | 昼:月曜~木曜11:30~14:00 夜:月曜~金曜・祝前日16:00~23:30(L.O.22:30) 土曜~23:00(L.O.22:00) |
定休日 | 日曜・祝日 |
坪数客数 | 20.81坪・64席 |
客単価 | 昼700~850円、夜3000~3500円 |
運営会社 | MED Dining株式会社 |
関連リンク | MED Dining |