銀座にスペイン カタルーニャ地方料理の「セニョール MASA」、ワインと炭焼き「串橙」を経営するサンエムプロジェクト(東京都中央区銀座、代表取締役・武田方彦 <たけだ・まさひこ> 氏)が、イタリア料理界では知る人ぞ知る、新鋭シェフの大久保仁博樹(おおくぼ・ひろき)氏を抜擢して、銀座コリドー街に「トラットリア アルテフィーチェ」をオープンした。武田方彦氏といえば、泰明小学校出身という銀座で生まれ育った、いわば銀座を知り尽くした存在。平成8年には、和食ダイニングのはしりとなった「ワインで和食を 銀座 橙」をオープンし、現在コリドー街周辺に異なる3つの業態の店舗を展開している。 3月4日、新たにオープンさせた「トラットリア アルテフィーチェ」で、なんといっても話題なのは、イタリア料理界で注目のシェフ、大久保仁博樹氏を抜擢したことだ。1976年生まれ、神奈川県出身の大久保氏は、「ロッソ エネロ」、「ビスボッチャ」を経て、1996年に単身で北イタリアに出向き、「アンティカ オステリア デルポンテ」などの名店で修行を積んだ。帰国後、若くして川崎市の鷺沼に「ファニエンテ」、「アルティ」という2軒のイタリア料理店をオープンさせる。都心部から離れた立地にも関わらず、イタリアン好きの食通の間でたちまち話題となり、多くのリピート客を獲得し、メジャーなグルメ誌でも注目された。大久保氏はあくまでも「リストランテ」の形式にこだわった店づくりを目指してきたが、今回オープンした「アルテフィーチェ」では、『気軽に楽しめるトラットリア』を目指し、見た目にも美しく、独創性溢れるイタリアンを提供してくれる。 メニューは、アラカルトの定番と、その日仕入れた新鮮な食材を使った日替わり、コース料理から選べる構成に。黒板に書かれた日替わりメニューには、イタリアや、国内の名産地から直送された高級食材をふんだんに用い繊細かつ技巧を凝らしたメニューが並んでいる。写真は、「ポルチーニを練りこんだ自家製のタリアッテレ」(4000円のコースの1皿)、「ホワイトアスパラガスとノルウェーサーモンのマリネ フレッシュブラッドオレンジのソース」1800円。都内のリストランテではかなりの値段がつくはずの料理が、ここでは驚くほどリーズナブルな価格で提供されている。また、大久保シェフのクリエイティブな料理の全容が堪能できるコースメニューは、アンティパスト、パスタ2種、メイン、ドルチェとコーヒー、全5品が楽しめて4000円からと大変お得だ。 「食材のレベルの高さは妥協することなく守り、それをいかに安く提供するか、日々努力しています。たとえば、アスパラガスなどの野菜なら、皮や根元はスープに利用するなど、どの部位も決して無駄にすることなく使ったり」と、大久保シェフは語る。また、イタリアワインに精通した大久保シェフによる、ポイントが絞られたワインメニューもイタリアンの食通を納得させる内容だ。大久保シェフが個人で所有するビンテージなワインコレクションも、店では提供されている。ワインはグラスで5~6種から選べて600円から、ボトルは3800円からのカジュアルなものから、ヴィンテージなものまで揃う。 最後に、大久保シェフは、銀座コリドー街という立地から、訪れる客が千差万別で、客の嗜好や傾向が掴みづらい点が今度の課題、と語る。今後は、大久保シェフならではの個性がこの店でどのように発揮されていくか、楽しみである。 一方、武田方彦氏が、数寄屋橋ビル地下で展開する「セニョール MASA」と同敷地内に2010年1月オープンした「ワインと炭焼き 串橙」も注目の1軒だ。一見、ひとつの店舗に見えるエントランスを入ると、同フロア内に隠れ家的に焼き鳥とワインが楽しめる別店舗がある、というユニークなつくりになっている。話題の「マンガリッツア豚」や「総州古白鶏」、旬の野菜などを炭火で焼いた串焼きと、店で一番人気のジューシーで柔らかい「特製つくね」を、ソムリエの店長が選んだワインと共に気軽に楽しめる内容で、客単価は5000円前後。こちらはすでに銀座のリピート客を多く取り込んでいる。
店舗データ
店名 | トラットリア アルテフィーチェ |
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住所 | 東京都中央区銀座7-2-22 同和ビル2F |
アクセス | 地下鉄銀座駅C2出口より徒歩3分 |
電話 | 03-3289-3555 |
営業時間 | 月~金11:30~15:00(L.O.14:30)、18:00~23:00(L.O.22:00) 土日祝12:00~16:00(L.O.15:00)、18:00~22:00(L.O.21:00) |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 65坪・68席 |
客単価 | 5000円 |
運営会社 | 株式会社サンエムプロジェクト |
関連リンク | アルテフィーチェ(ぐるなび) |