47地方活性化プロジェクトを掲げ、銀座を中心に地方をテーマにした飲食店を展開するエイチワイシステム(代表取締役・安田久氏)は5月11日、銀座コリドー街のビル2階に、躍動感のある阿波踊りを間近で見ながら徳島の郷土料理が楽しめる「阿波おどり」をオープンする。コンセプトは“踊る阿呆に、食う阿呆”をキャッチフレーズに、毎晩2回披露される本場の阿波踊りショーを見ながら、名物の阿波尾鶏を中心に鯛やワカメなどの徳島県産食材をふんだんに使用したメニューを提供する。阿波踊りショーには「高円寺阿波おどり連協会」所属の有名連が、日替りで登場する。連により衣装や振り付け、得意な踊りも異なるため、毎日見ても飽きないのが特徴だ。通常のショーのように舞台上で行うのではなく、客のすぐ近くの通路を練り歩くため一体感を味わえるのも魅力のひとつとなっており、客の参加も大歓迎。通りに面した窓側には大きなプロジェクターを設置してライブ感溢れる阿波踊りの映像を随時流すなどして、徳島県の特性をアピールする。170坪ある広い店内は居抜き物件ということもあり、もともとあったものに地元の阿波踊り会館を手本にした阿波踊りの装飾や、鳴門の渦潮をイメージした装飾を施すことで、初期コストを抑えることに成功している。メニューは、阿波踊りと同名の徳島地鶏を使用した「阿波尾鶏の豪快焼き」(1300円、2500円)を筆頭に、徳島漁連直送の「本日のおすすめ干物」(400円~)や「竹ちくわ」(300円)の他、鳴門の鯛よりも美味しいと地元の人にもいわせるという「大鳴海鯛のお造り」(780円)や、徳島のB級グルメといわれる「フィッシュカツ」(450円)や「鳴門金時スティック」(300円)なども味わえる。ドリンクは定番の生ビールやサワーに加え、「徳島すだち酒」(480円)や「鳴門金時芋焼酎」(580円)など徳島色豊かなラインナップを用意しており、地酒は約11種(580円~)、梅酒は6種(480円~)を用意した。「郷土料理店には必ずといっていいほど、その都道府県出身者が来店するため、いい加減なものを提供してしまうとすぐに露見してしまう。地元の誇りを汚すことはあってはならないため、そうした郷土愛にも配慮して、食材や雰囲気作りといった演出には時間をかけて作りこむ手法を取っています」と広報の黒野和子氏。今回の徳島を含め、秋田や熊本など8県をテーマにした郷土料理店を10店舗展開している同社。構想から実現までに5年の歳月を費やしたという「阿波おどり」には、高円寺の阿波踊りに魅せられ、阿波踊りを見ながら飲んで食べられる店を銀座に作りたいという安田氏の並々ならぬ思い入れがあった。「従業員のにわか踊りや、稽古仕立ての鳴り物では、自分自身が高円寺の阿波踊りを見て感動した時のような感情にはならないし、伝わらないと思ったので本物を出さなければ通用しないと思いました。本物を呼ぶために徳島の二大協会である阿波おどり振興協会、阿波踊り振興協会に承認をいただき、高円寺で活躍する約40連が毎日日替りで出演するショーが実現しました。食材を含め、本物をすべて銀座に持ってくることができたので、皆で踊って東京のサラリーマンやOLの明日の活力になれば嬉しい。『阿波おどり』が軌道に乗った暁には、都内に5店舗ぐらい作りたい」と安田氏は話す。同社は、47地方活性化プロジェクトを着実に進行しているが、次に手掛ける都道府県などについては未定とのことで、今回の徳島のようにどのような出会いがあるかに尽きるようだ。8月に開催される「東京高円寺阿波おどり」にも協力して一緒に盛り上げていく方針だそうで、ゆくゆくは銀座・安田連というのも考えているとか。景気回復がなかなか見込めない昨今にあって、銀座に上陸した阿波踊りがどんな旋風を巻き起こすのか、今後も目が離せない。
店舗データ
店名 | 阿波おどり |
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住所 | 東京都中央区銀座7-2-17 銀座不二家ビル2F |
アクセス | 地下鉄銀座線銀座駅 徒歩3分、JR新橋駅 徒歩5分 |
電話 | 03-6218-0253 |
営業時間 | 17:00~24:00 金・祝前17:00~翌4:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 170坪200席 |
客単価 | 4000円 |
運営会社 | 株式会社エイチワイシステム |