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新・編集長コラム

焼鳥ニューウェーブ!コロナ禍で増える高級焼鳥や人気焼鳥店の新展開

PROFILE

大関 まなみ

大関 まなみ
1988年栃木県生まれ。東北大学卒業後、教育系出版社や飲食業界系出版社を経て、2019年3月よりフードスタジアム編集長に就任。年間約300の飲食店を視察、100軒を取材する。


単価4000円程度のカジュアルな居酒屋やバルを展開していたグループが、ここにきて高級焼鳥に挑戦する事例が増えている。

絶好調てっぺんから独立し、新宿で「ろばた翔」「ろばた結」などを展開する國屋は、9月、「焼鳥さく田」を出店した。単価8000円ほどのおまかせコースの焼鳥店で、店主を務める作田聖和氏の独立を視野に入れた作った店舗だ。また、同じく新宿を中心に展開するロイヤルストレートフラッシュもアッパー焼鳥を出店している。「るいすけ」ブランドで鶏をテーマにした居酒屋やバルを展開してきたが、8月に西新宿七丁目にオープンした「焼鳥るい家」は、やはり既存店から単価を上げたコースの焼鳥店となっている。

焼鳥に限らず、コロナ禍以降は単価を上げた業態に挑戦する飲食グループは多い。世の中の人々の外食回数が減ったいま、多くのお客を集客して儲けを出すのではなく、少数のお客からしっかり単価を取る戦略にシフトしつつある。加えて、自身やスタッフの働き方を考えるオーナーが増えたことも、少なからず影響しているだろう。薄利多売型はとにかく体力を使う。若くして独立したオーナーは、今はいいけど将来を見据えたときに同じ働き方を続けるだろうか?と考えた時、やはり高単価にシフトしていく

一方で人気焼鳥店「焼鳥やおや」「リバーサイドヤオヤ」を池尻大橋で展開するYAOYAグループは、いったん焼鳥から脱却。10月にオープンした「808labo」は、焼鳥ではなく、イノベーティブレストランの手法を居酒屋に落とし込んだ独創的なつまみを提供するカウンター居酒屋。同店は808日間の限定営業とし、「社員修業の場」の位置づけ。熟練シェフの手ほどきのもとYAYOYA社員は料理を学び、焼鳥以外の武器を身に着けていく。ここで料理のレベルアップを図ったのちには、やはり単価を上げたアッパーな焼鳥店に挑戦したいとのことだった。

さらにいま注目すべき焼鳥店は、10月、学芸大学にオープンした「警視鳥」。学芸大学「鳥せん」を手掛ける泉オーナーの新店舗。コスパ感ある焼鳥に、見た目にも楽しい一品料理。居酒屋らしかぬカフェのような内装と、いまの人気酒場のど真ん中を行っている。早速、予約なしでは入りにくい人気店になっているようだ。

「警視鳥」の「いくらちょうちん」。痛風患者は要注意!

今後も、気になる焼鳥店のオープンが続く。11月、代々木には「代々木 鳥松」がオープン。中央線沿線を中心に展開する焼鳥店「けむり」の高級業態だ。三軒茶屋で「1919 STAND」などバー業態を中心に展開するコムステイタスも、三軒茶屋駅前に鶏業態の新店をオープンするという。

馴染み深く根強い人気を誇る焼鳥が、ここにきて進化が目覚ましい。

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