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コラム

“つぶやき”のススメ

"元祖つぶやき"の私からすれば、昨今の「Twitter(ツイッター)」や「amebaなう」などの"つぶやきブーム"はいささか複雑な心境なのだが、これを一つの"メディア"として捉えれば、有効な戦略的販促ツールになるに違いない。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


私がフードスタジアムでこの「編集長のつぶやき」を始めたのは5年前だ。何気なく本音や毒舌を無責任に吐ける場として始めたコラムなのだが、なんと降ってわいたように、まさか“つぶやきブーム”が来るとは思わなかった。海外からやってきた「ツイッター」は、特定の個人からオフィシャルなメディアに至るまで、140文字以内の“つぶやき”という情報発信の掲示板的な機能として急速に利用者が増えている。「日経MJ」でも取り上げられたが、「豚組」や「壌」を経営するグレイスの中村仁社長は、ツイッター界では有名な“つぶやき飲食店経営者”である。ITリテラシーが強く、飲食店と顧客との関係性をネット進化社会を見据えた観点から捉え直し、ツイッターというツールを通して情報発信したり、店の販促に活かしている。

私も早速、ツイッターでつぶやきを開始したら、ものの数日で中村社長と会話を交わすことができた。ツイッターの凄さは、その身分や立場を超えた情報交換の気軽さやリアルタイム性である。「ツイート」(つぶやき)の内容が共感を呼べば、見ず知らずの人たちが即座に会話を始める。それが口コミで急速に広がることも少なくない。これは飲食の販促としては、かなり有効なツールといえそうだ。口コミサイトや影響力のある人物のブログよりも、リアルなその時、その場所での“つぶやき”が今後注目されるということだ。「鉄板で何か新しい業態できないかな」→「うちはこんなことをやってるよ」→「今度、鉄板の新業態をオープンしました」→「ウチは鉄板の新しい料理が人気で雑誌に取り上げられた」etc…のようなかたちちで、「鉄板の新業態」に関する情報がどんどん広がっていく。この効果は侮れまい。

飲食業界関係者が最も利用しているとされる「アメブロ」も、つい最近、ツイッターに追随して「aqmebaなう」という“つぶやきサイト”を開設した。私も始めてみたが、“amebaなう効果”でブログアクセス数も急増している。私はかつてこのコラムで、飲食店経営者に対して「ブログのススメ」を書いた。自分の会社、自分の店、あるいは自分の飲食業に対する情熱や姿勢をブログを通じて発信することこそ、お客さんや取引先との“絆”を深められる最善の方法だと唱えた。時代は進み、ネット社会が進化する中で、いまこそ「ツイッター」や「amebaなう」などの“つぶやき”による情報発信が大事なだと言いたい。つぶやきにはその人の本音や人柄が即座に出る。したがって、使い方を間違えると劇薬にもなるが、程よく利用する分には、有力な情報収集と発信のツールになることは間違いない。

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