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スペシャル企画

大阪で食べ飲みイベント開催! 携帯灰皿の配布や喫煙環境の店頭表示で 街に、人に配慮したイベントに!


東京では「食べ飲まナイト」や「街コン」など、その街に訪れるきっかけ、そして新たな店を知るきっかけとして、街の飲食店を食べ飲みしながら、そのエリアを回遊するイベントが急増している。同イベントは街の活性化につながるとして、開催回数を増すごとに来場者も急増しており、今や人気のイベントに成長しているという。今回は大阪のイベントに焦点をあて、主催者にそこでの取り組みについて話を聞いた。

2011年春、地域活性化を目的に「元気なお店創造委員会」を発足。同年5月に大阪・野田エリアにて「野田バル」を開催。バルイベントは事前に購入したチケットで、そのエリアにある参加店舗を飲み歩くイベントだ。初回の野田バルでは32店舗だった参加店舗も、4回目には79店舗に増え、エリアも拡大し、福島バル、天満天神バルと現在は計3エリアで開催している。「一店舗ではできないことでも、まとまることによって、できることがあります」と話すのは、主催者の川合善博氏。エリアブランディングを目的として、こうした街飲みイベントによる地域活性化に取り組んでいる。

2012年11月17日開催の福島バルの様子。店前には長い行列ができる

2012年11月17日開催の福島バルの様子。

11月17日には、第3回目となる「福島バル」を開催。75店舗の飲食店が参加し、たった1日の開催にも関わらず来場者数は8000人に上った。福島エリアでは20代~30代後半の来場者が7~8割を占めており、その中でも女性が約6割。つまり、感度の高い若い女性を中心に集客しているのだ。

同イベント最大の特徴は、これまで知らなかった飲食店を知ることができることだ。情報が少なく入店しづらかった店、入店するきっかけを掴めずにいた店を利用し、さらには1日で数店舗を回ることができる。イベントはチケット制で各店のオススメバル限定メニューが食べられるため、再来店につながるケースも少なくないだろう。飲食店としても新規客の取り込みができ、宣伝効果も大いに期待できる。

 

福島駅前に設置された本部では、携帯灰皿を用意

福島駅前に設置された本部では、携帯灰皿を用意

今回の福島バルでは新たな取り組みとして、"お店の喫煙環境を知らせるステッカー"を店頭に貼付することに取り組んだ。「禁煙」、「喫煙」、「分煙」と店舗の喫煙環境に合わせた複数のステッカーを用意し、「分煙」に関しては、エリア分煙・時間分煙が一目で分かるデザインになっている。来場者にとっては入店時に喫煙の有無が分かり、店にとってもたばこの煙によるクレームを未然に防ぐことが期待できる対策になっている。また、もう一つの取り組みとして、携帯灰皿の配布を実施。「予想以上に携帯灰皿を持っていかれる方が多かったですね。実際に300個ほど配布できました」(川合氏)。バルイベントは来場者数が多いため、店前に行列ができることが多いという。実際に初参加店舗では「想像以上にすごい人数のお客様が来たので、驚きました」と言う経営者も。イベントのルールとして「素早く食べて次の客に席を譲る」というのがあるものの、店舗規模や店のオペレーションの関係もあり、どうしても行列は避けられない。待ち時間の間、店頭でたばこを吸う人も出てくる。近くに灰皿がなければ、店頭にポイ捨てしてしまうことも。また、イベントで多くの人が往来する中、歩きたばこやポイ捨ての恐れもあるため、携帯灰皿を用意したのだ。店側からも、「喫煙者も非喫煙者も気持ちよく楽しめるイベントになるし、街がきれいに保たれて、とても良い取り組みだ」との声が聞かれたという。

最後に、川合氏にこのイベントの意義を伺ったところ、「例えば、買い物に行った時、服でも食品でも、見えないものは買えないですよね。それと同じで、お店もまず存在を知ってもらうことが大切だと思います。バルイベントをきっかけに、多くの人に魅力的なお店を知ってもらい、イベントが終わってからも、その街に多くの人が足を運ぶことにつながれば、地域活性化につながると考えています」と語った。

バルイベントは、参加店舗や来場者が増えるにつれ、その地域が賑やかになり、それが活性化へとつながる。そうした中、携帯灰皿の配布や喫煙環境を知らせる店頭表示の新たな取り組みは、クリーンな街のイメージを保つこともできる。街に、人に配慮したイベントにすることが、地域活性化成功のカギを握っているに違いない。

 

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