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スペシャル企画

飲食店「できる事からプロジェクト」第1弾 Part2

今や環境や社会を意識してビジネスを行うことは企業として欠かせない時代となった。
外食産業もしかり、食という大きな市場を支える立場として、その責務は今後ますます大きくなるだろう。そこで飲食産業向け媒体としての役割を担うべく、フードスタジアムは消費者にも社会にも有益な活動を推進していくことを決意。業界ひいては社会全体の活性に貢献すべく「できる事からプロジェクト」と題し、取り組んでいく。

プロジェクト予定
●受動喫煙防止 店外表示推進活動●国産食品推進活動で日本の自給率を上げる ●ゴミ問題を考える●飲食店で取り組むエコ活動

第1弾は、飲食店とは切り離せない「たばこ」の課題。既に飲食業界が一丸となって取り組むべき時期に来ている。今年4月からフースタで追った分煙問題の連載で明らかになったことは、今、真っ先に取り組むべきは店の喫煙環境を外に表示することだ。そこで、店の喫煙環境が入店前に分かれば受動喫煙は必然的に減少していくのでは!?という仮説の元、リアルな活動を実施することに。環境意識の高い店に“店頭に店内の喫煙環境の表示をする”“表示について来店客はどう感じているかアンケートをとる”というふたつの協力を要請。その動向をレポートしながら同活動拡大の鍵を探る!


 

協力店① もつ福

もつ福

「ポジティヴデリ」「麻布とさか」など直営13店舗を運営する株式会社ポジティヴ・フード(東京都港区・代表取締役畑久美子氏)が、赤坂ほか全3店舗展開する「博多もつ鍋」業態。朝締めの国産牛もつを塩味ほか4種で提供する。ゆったり寛げる和情緒溢れる座敷の店内も好評。

東京都港区赤坂6-4-17
アクセス:東京メトロ「赤坂駅」7番出口より徒歩1分
電話:03-5549-1970
営業時間:月〜水17:00〜24:00、木金祝前17:00〜03:00、土祝17:00〜23:30
定休日:日曜 / 149席 / 客単価:3300円

 

もつ福のステッカー  ▲今回使用した表示
■同店のタバコの環境

【喫煙】

「表示物で大事なのは、見た人がパッと認識する分かり易さです」

■プロジェクト協力依頼をした際の店側の反応

赤坂駅から六本木方面へ向かう途中にある「もつ福」は、総席数149席という大箱居酒屋。店内は全面喫煙になっており、平日における喫煙率は8割強。客層も、休日こそファミリー客も来店するが、平日は7割がサラリーマン、3割がOLという構成だ。ビジネス街にある類似店には大変参考になるであろうという考えから、プロジェクトへの協力を打診。しかし、企画趣旨の説明段階で一瞬難色を示す。理由は、“分煙プロジェクト”という言葉が“禁煙風潮の後押し”を連想させたためだ。その後、「同企画は決して禁煙推進運動ではなく、むしろタバコを吸うお客が多い店にとっては“吸えますよ”と意思表示することで、より選ばれ易くなるメリットもある」と説得。更に「目的は“受動喫煙防止”であり、店頭に分かり易く表示することは“喫煙者”“禁煙者”ともに喜ぶ仕組みづくりである」という考えに共感し、快諾に至った。

■実際に表示した際の問題点

表示を開始して間もなく、ひとりの男性客が「あれ、なんでタバコ吸っている人がいるの?」と、スタッフに尋ねてきた。「うちの店は喫煙ですので…」と、よくよく話しをすると、表示の「喫煙」が「禁煙」に見えて入ってきたという。店側としてお客に誤解させてしまったことをお詫びし、漢字はパッと見て分かり難いということで、より分かり易いようにと直ぐに「タバコ吸えます」というデザインに修正。2ヶ月経ち、その後は、同じようなケースは起こっていないという。

■表示をしてみた感想

「赤坂は喫煙者が多い街ですから、“タバコを吸える店”とアピールするのは集客上のメリットに繋がります。大事なのは、見間違えない分かり易いデザインにすること。顧客満足度向上にも繋がるので、今後もぜひ続けさせて頂きます」と同店店長の八幡氏。

協力店② 美肌コラーゲン鍋 豚しゃぶしゃぶ 春夏秋豚

美肌コラーゲン鍋 豚しゃぶしゃぶ 春夏秋豚

「ホルモンバー東京」「Big-Pig」などを運営する株式会社スマイルリンクル(東京都千代田区、代表取締役森口康志氏)が、赤坂と銀座に展開する豚しゃぶ専門店。クセがなく甘みのある「越後魚沼健康豚」が食べ放題の美肌コラーゲン鍋は女性客に好評。

東京都港区赤坂3-16-7赤坂KTビル1F
アクセス:東京メトロ「赤坂駅」1番出口より徒歩3分
電話:03-3588-6262
営業時間:17:00-24:00
定休日:日曜 / 80席 / 客単価:4500円

 

春夏秋豚のステッカー2  春夏秋豚のステッカー ▲今回使用した表示
■同店のタバコの環境

【空間分煙】

「我慢していたお客様が、自分の意思表示をするためのきっかけに!」

■プロジェクト協力依頼をした際の店側の反応

一ツ木通りの“赤坂Bizタワー”寄りにある「春夏秋豚」は、64席のテーブル席からなる落ち着いた雰囲気の豚しゃぶ専門店。客層は7〜8割が女性であり、禁煙・喫煙の率は半々。完全分煙でないものの、禁煙希望のお客は優先的に天井の部分だけ抜けた半個室空間に通す形で対応している。食事利用で、なおかつ女性の多い店における受動喫煙への意識を調べるべく同店に参加を要請。趣旨を話したところ、「タバコのリスク回避というだけでなく“環境”“ゴミ処理”等、社会全体を考えたうえでの活動という点に共感できる」(社長森口康志氏)という理由から協力してもらえることとなった。

■実際に表示した際の問題点

表示を開始すると、案外目立たないことが発覚。検討し、店頭メニューの側に貼ったり、ラベル風に印刷してワインボトルに貼付けて並べたりと、様々な形でアピールすることに。すると、徐々に反応率が上がってきた。「皆が反応しなくてもいいんです」とは、店長小泉氏。「一番気にする人が活用してくれれば、まずはそれでいい」と話す。

■表示をしてみた感想

30日、45日と経過していくにつれ、入店段階で「禁煙席をお願いできます?」と聞いてくるお客が増えてきたという。
「赤坂は禁煙の店が少ないためか、ここには禁煙席がある!と安心されて来店される方が多くなりました。質問する前に答えてくれるのでオペレーションも楽になりましたし、なにより今まで我慢していたお客様が自分の主張をするよいきっかけになったのでは!?と考えてます。そういった意味でも表示はプラスだと思います」(店長小泉氏)

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