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スペシャル企画

スペシャル企画 第6回 目からウロコの「分煙術」 その2


あらゆる客層をターゲットにする飲食店の代表格、カフェ。そこでは、タバコを吸う人にも吸わない人にも居心地よく過ごしてもらうための様々な先駆的取組みが行なわれていた。"喫煙者と禁煙者の共存"をテーマに、飲食業界関係者の分煙に関する知識向上を目的とした同連載第5弾では、分煙導入に躊躇する経営者が抱える三つの壁、導入費、集客への懸念、デザイン性の悩みを解消し、「分煙=ハードルが高い」という先入観を払拭してくれる多彩なアイデアが詰まった都内のカフェ3軒の事例に学ぶ。

Case2/空間を仕切ることなく分煙できるグッドアイデア

店内改装は不要。熱の力で煙を集めるシェードランプ

見通しのいいワンフロアの店内スペースには巨大なサイズのシェードランプが3機。その下では、特に仕切り等もない中で、タバコを吸っている人も吸わない人も快適そうに過ごしている。原宿のカフェ「café STUDIO」の一見不思議な分煙環境のカラクリは"熱の力"にあった!

既存店の分煙を内装工事なしで実現

原宿にあり、若い女性に人気の高い流行発信のプロモーションカフェ「café STUDIO」。同店の分煙手法は、ランプシェードさえ設置すれば空間を仕切ることなく分煙でき、内装に関する改装工事等は一切必要掛からないという既存店でも取り入れ易いモデルである。照明の特殊機能とは、傘の内部に組み込まれた換気システム。具体的には、スイッチのon/offで照明をつけると、発熱するその熱力でタバコの煙が集められ、そのまま近くの換気口へ吸引されていくという仕組みだ。煙は暖かい空気の方へ流れる性質があり、これを利用した非常にシンプルな分煙環境モデルである。

「café STUDIO」の店内スペースはざっくり真ん中辺りで喫煙と禁煙に分けられており、喫煙スペースに、圧迫感がないよう傘の部分を水玉のような点々でくり抜いたランプシェードが3機。アーティスティックなデザインはカフェの雰囲気を壊すことなく自然に調和している。

タバコを吸うと、このランプシェードの方に煙が吸い寄せられるように上がっていく。そこで集約された煙が通常の換気で排気されるので、禁煙席にタバコの煙や匂いが漏れることなく、さらに不自然に空間を仕切ることなく分煙が可能というわけだ。運営コストは、照明の電気代及び電球代のみ。既存店の場合、ほぼ内観を変えずに取り入れられるので導入費も最小限に押えられる。残念ながら同ランプシェードはこちらオリジナルの一点アイテムだが、このモデルを応用すれば、例えばバルやワインバーのような小さな店でも、巨大なワンフロアの箱形の店でも、面積や想定喫煙数に合わせた規模のランプシェードを導入することで、低コストでしっかりした分煙環境を創り上げられる。

日々の営業に対して、むしろプラス影響!?

分煙環境を導入することに躊躇する理由として"営業へのマイナス影響"がある。例えば、席の回転数が悪くなったり、お客様の気分を損ねたり…売上げに響くのではないか? この懸念に関して「café STUDIO」における導入前後の変化を尋ねると、「モノとしては大きいけれど照明と一緒でただついているだけ。店内の雰囲気ともマッチしてるので営業には差し障りない」と店長種氏。むしろ好印象を与える方が大きいという。「普通に照明として使っているけれど、あまりに大きいから話題になる。そこで、実は煙を集める為の仕組みなんですといえばお客様の心情はよくなりますよね。こういう取組みは口コミで自然と広がっていくので、あの店はマナーがしっかりしてて居心地もいいということで自然とリピーターも増えました」と話す。

◇「café STUDIO」がすすめる分煙環境作りのポイント!

「大切なのはオーナーさんがどこを集客したいのか、狙うターゲットをはっきりさせること。原宿という場所柄若い人が多く、中でもタバコを吸う女性の率が非常に高いのですが、あくまでうちはカフェ。いろんなお客様に入って欲しいので"タバコを吸わない人も入れる場所"というひとつの選択肢として分煙は必須です」(種氏)

株式会社ドリームスタジオ(WEB

【店舗データ】
店名;café STUDIO
住所;東京都渋谷区神宮前 4-31-10 YM Square HARAJUKU 1F
電話;03-3478-0182
営業時間;11:00~23:30
定休日;無休(年末年始を除く)
客単価;1000円

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