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関東の酒蔵に特化した日本酒バー「TOKYO SAKE DEPARTMENT」が銀座にオープン。路地裏地下の悪立地で現金払い不可の個性的な店作り

裏路地のビルの細い階段を降りた地下に店がある
アンバーの落ち着いた照明の店内。カウンターは6席
日本酒とチョコレートのペアリング。チョコレートは、「美味しさに驚いた」と大高氏が絶賛するビーントゥーバー専門店「Minimal」のもの
チーズやオリーブなど、日本酒の新しい飲み方も提案。グラスもその酒の個性に合わせて変えているという
オーナーの大高友也氏。日本酒愛好家団体「東京日本酒部」も主宰

銀座5丁目交差点近くの裏路地に5月9日、関東地方の日本酒に特化したバー「TOKYO SAKE DEPARTMENT」がオープンした。経営は、WEBを活用したマーケティング支援、人材採用・教育支援を行うサンボウ(東京都中央区、代表取締役:大高友也氏)。大高氏が主宰する「東京日本酒部」の拠点としても使われている。

日本酒愛好家団体「東京日本酒部」を立ち上げ、蔵人体験やお酒の学校など様々なイベントを企画運営し、遂には日本酒バーもオープンさせた大高氏。さぞかし昔から日本酒が好きなのか思いきや、日本酒を美味しいと思い始めたのはここ10年ほどだという。「当時務めていたソフトウェア会社の社員旅行で新潟の酒蔵を訪れた時、搾りたての日本酒を飲ませていただきました。少し発泡したフレッシュな味わいで、その時初めて日本酒を美味しいと思いました。以前、学生時代の飲食店でアルバイトをしていたのですが、日本酒はどこかオヤジ臭いようなイメージがあり苦手だったのですが、この新潟での体験で印象がガラリと変わりました」と大高氏。苦手意識が払拭されて以降、日本酒を飲むようになったという。

大高氏が本格的に日本酒にのめり込んだのはここ2,3年のことだという。「41歳で唎酒師を、その後1年ごとに日本酒学講師、酒匠と資格を取りました。とにかく日本酒は旨いし、知れば知るほど奥が深く、面白い。世間では『日本酒ブーム』と言われていますが、私からすると、周りに日本酒を飲む人がそれほど多くもなく、肌感覚ではあまり流行っていると思えません。加えて、若い人があまり酒を飲まなくなっている状況もある。これでは日本の素晴らしい飲酒文化が廃れてしまうし、日本酒の未来にとっても良くない。そういった状況に対して、私ができることは何かを考え、東京日本酒部を作り、そして日本酒バーの開業に行きつきました」(大高氏)。サラリーマン時代は広告やソフトウェアといった実態のない商品を扱ってきた大高氏にとって、これからは実態のあるもの、自分が好きなのものを扱いたい、という気持ちもあったという。

日本酒といえば、米処にこそ銘酒があるというイメージだが、「TOKYO SAKE DEPARTMENT」では東京をはじめ関東の酒蔵の酒しか取り扱わない。「私は東京生まれの東京育ち。遊んだ場所は埼玉や神奈川、田舎は千葉で、妻の実家は茨城。やるんだったら、自分の生まれ育った地域である関東を全力で応援したい。関東の日本酒蔵の実力を、旨さを東京在住在勤の人にこそ知ってほしい」という。

東京の酒として、地下150メートルから汲み上げられた富士山系の伏流水で仕込む豊島屋酒造や神田豊島屋の酒がイチオシだ。【屋守】の「純米吟醸 雄町」、「純米中取り」、【金婚】の「全国新酒鑑評会 出品酒」。神田でしか買えない【利他】の「純米大吟醸」などをラインナップ。神田で自家醸造のどぶろくを作る神田の日本酒バル「にほんしゅほたる」の「神田マドンナ」はほたる以外ではここでしか飲めない。千葉の酒は、外房いすみ市・木戸泉酒造の商品で女性にも人気の「AFS(アフス)」やヴィンテージ酒【古酒 玉響(たまゆら)】が1974年〜2003年と各年の古酒がずらりと揃う。他、埼玉、栃木の酒蔵の酒も揃える。おつまみには、日本酒との相性を考え吟味した銀座調達のシングルオリジンチョコレート、チーズ、ドライサーモン、オリーブ、枝付きレーズンなどを用意。

5坪のこじんまりとした店内はカウンター6席の他、スタンディングで6人も入ればいっぱいになってしまう。小さな店ということもあり、グループ客というより一人客を増やしたいという。「ターゲットは30代後半〜40代前半。自分のペースで日本酒を味わいたい、という人にきてもらいたい。そしてこの空間で日本酒を好きな人同士で自然に会話が生まれるような場を作りたい。日本酒バーだが、運営のノリとしては“スナック”を目指しています」(大高氏)。会計はクレジットカードや電子マネーのみ。その理由は「お客さんも店もうれしい決済の方法はクレジットカード」という考えから。大高氏自身、一消費者として、マイルを貯めていることから、基本的にクレジットカードでの支払が多いという。「よく『小額会計のカード利用不可』という店もあるが、やはり使えた方がカードのポイントも付くので、お客さんとしてはうれしいのではないかと思っています。現金だと、何のメリットも無いですから」(大高氏)。一方店側としては、現金を触らず、精算や釣銭を用意、夜間金庫に行く必要も無くなる。また仕組上、違算が出ないため「売上とレジ金が合わない」ということも無くなり、業務の効率化に繋がる。

銀座のど真ん中にありながら、アクセスに少々迷ってしまいそうな路地裏のビルの地下にオープンした日本酒バー。しかも関東専門で、マスターは様々な日本酒資格を持ち、東京日本酒部の部長。会計は現金不使用。「TOKYO SAKE DEPARTMENT」は、個性的でコンセプトに特化した風変わりの店だ。「コアターゲットの一人客を増やし、その人が『面白い店がある』とどんどん若い人を連れてきてほしい。外国人ターゲットと思われがちだが、あくまでも日本人に日本の酒を、東京の人に東京の酒を知ってもらいたい」と話し、また「3年後には今よりももっと広い場所で、フードにも力を入れる形で2店舗目を出店したい。今、銀座の街の魅力にどっぷりハマっているので、次も銀座に出したい」と大高氏。東京日本酒部の活動も、これまでやってきた蔵人体験や杜氏体験、蔵開き支援などのイベントの回数を増やし、協力してくれる仲間も増やし、、ビジネスとしてしっかり収益を上げて仲間にも報酬を支払える状況を作りたいと目論んでいる。「日本酒業界ってボランティアで賄う取り組みが非常に多く、それだと継続しないと思っていて。少なくとも自分が主催するイベントを手伝ってくれる方には、少額でも報酬を支払いたいと思っています」(大高氏)。バーでもビギナー向けの日本酒セミナーを行う予定というから、この場所が今後、日本酒の新しい発信拠点となるのは、そう遠い話でもなさそうだ。

(取材=別役 ちひろ)

店舗データ

店名 TOKYO SAKE DEPARTMENT(トーキョーサケデパートメント)
住所 東京都中央区銀座5-5-11 塚本不動産ビルB1
アクセス JR有楽町駅 徒歩5分
東京メトロ銀座線、日比谷線、丸ノ内線銀座駅A5出口から徒歩2分
電話 なし
営業時間 18:00〜23:00
定休日 日曜、年末年始
坪数客数 5坪12席
客単価 3500円〜5000円
運営会社 サンボウ株式会社
オープン日 2018年5月9日
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