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栃木発。農業法人設立、海外出店と「食」で地元・小山を牽引するRECITYの8店舗目。焼き鳥大衆酒場「とり七 西口店」が、12月1日オープン

JR小山駅西口から歩いて1分たらず。大手のチェーン店が多い地方において、多業態多店舗展開で地元の人たちの支持を集めている
「どぶづけ」付きカウンターからは、オープンキッチンも見渡せ、ライブ感を演出する
その日のおすすめを炭火で焼いて出してくれる「串焼き盛り合わせ 5本」(750円)
焼き鳥がメインだが、全国の漁港から直送する鮮魚もおすすめだ。「直送鮮魚のお刺身 3点盛り」(中央・780円)。「名物!大山鶏の鶏手羽先唐揚げ」(奥・5本480円)、「ささみユッケ」(左・680円)
株式会社RECITY 代表取締役 杉本悠氏(右)と農業生産法人ネオハルオヤマ 農場長取締役 篠崎尊久氏(左)。同法人農園のケール畑の前で

栃木県南部・小山市。東京から電車に揺られること1時間半、人口16万人のこの街に、「食」を通じて地域を変えようと意欲を燃やす企業がある。RECITY(リシティ、栃木県小山市、代表取締役 杉本悠氏)だ。12月1日、JR小山駅西口から徒歩1分の場所に、同社8店舗目となる「とり七 西口店」をオープンさせた。2008年に居酒屋「エンヤワンヤ」を創業して以来、「旬をあげる 串三郎」「やさい家せん」「OYAMA BAL」など、小山市内を中心に7業態8店舗を出店してきた。どの店も老若男女問わず地元の人たちで賑わう大繁盛店だ。同社の理念である「食文化を通して、街と人々に貢献する」ことを実現するため、「東京への進出はまったく考えていない」と言い切る代表の杉本悠氏。今年1月には、農業生産法人「ネオハルオヤマ」(栃木県小山市、農場長 篠崎尊久氏)を立ち上げ、農産物の卸売りを手始めに、加工品の製造・販売、ファーマーズレストランの運営など事業拡大にむけて着々と準備を進める。同社が目指す「街をつくり、変えていく飲食店」とは何か。オープンした新店とともに地方企業としての今後を聞いた。

代表の杉本氏は栃木県出身。IT系ベンチャー企業の営業マンとして、バリバリ東京で活躍していた。多忙を極めたが「楽しいと思える毎日だった」と当時を振り返る。そのような折、突然の退職。飲食業界での起業を選んだ。その理由を「25歳で起業すると決めていましたから」と話す。「営業で4年間、飲食業界の担当をしていました。ホームページ制作から店舗プロデュースまで関わらせていただくなかで、飲食経営の基礎を学びました」。2008年、1号店となる居酒屋「エンヤワンヤ」を創業。その後、7年間で8店舗を出店、従業員20人の企業へと成長させた。昨年からは地元で働きたいと希望する若者の新卒採用もはじめた。「つねに“FOR YOU”を心がけています。自分だけが儲けたいとか成功したいというより、目の前の人に喜んでほしい、というのが起業した原点でもありますからね」。その思いはスタッフにも注がれる。「海外で飲食店をやりたい」というスタッフの夢を実現するため、昨年、英・ブライトンにラーメンバル「GOEMON RAMEN BAR」(ゴエモン・ラーメン・バー)をオープンさせた。地元のイギリス人だけでなく、観光や仕事で訪れる日本人からも評判の店だ。

同社8店舗目となる「とり七 西口店」は、同ブランドの東口店よりも単価を1000円下げて、「大衆酒場」感を全面に打ち出す。1階はドリンクが入る「どぶづけ」を取り付けたカウンター席。2階は間仕切りのある座敷席で、一人飲みから大人数の宴会利用まで幅広く対応する。食事は多様な創作鶏料理、約60種類を提供。使用する食材はできるだけ「イートローカル」「地産地消」にこだわる。「小山に新たなブランドをつくりたい」という思いから、小山特産牛「おやま和牛の串焼き」(500円)など、赤字覚悟の価格設定をしているメニューも。炭火で焼き上げる串焼きは1本150円からで20種類以上。ほかにも「鶏手羽先の唐揚げ」(480円)、「とり刺し3種」(880円)「ささみユッケ」(680円)なども人気だ。ドリンクは大衆酒場らしく「ホッピー 黒or白セット」(580円)をはじめ、「究極のレモンサワー」(420円)、「ガリハイ」(380円)や焼酎ボトル(2500円〜)や日本酒 冷・燗(各種380円)など、幅広く取り揃える。

「店づくり自体が地域・街づくりだと思っています。そう考えた時、地方でやるからこそ、大きなインパクトを与えられると思ったんです」。だから、東京への出店は考えていない。「地方の経営者はみんな多かれ少なかれ『地元をなんとかせなアカン』という思いを持っていますよ」と話す。育ててくれた土地への責任感と使命感が彼を突き動かしているようだ。6年前、地元の商工会議所青年部である人物と出会った。のちに農業法人をともに立ち上げることになる「キラ星農園」農場長 篠崎尊久氏だ。派遣会社を経営していた篠崎氏が農業をはじめたのは、イベントで「いもフライ」をつくったのがきっかけ。材料のジャガイモを自分で栽培して以来、家庭菜園でつくった野菜を近所に配るようになった。その反応が「おいしい」となかなかの好評。いつしか「作る」ことに魅せられて、農業の道に入っていった。起床は毎朝午前3~4時。1.5haの農地で約60種類の野菜を育てる。土作りから植え付け、栽培、収穫、各店舗への届けまで、すべて彼一人で行う。「ケールを新たな小山名物にしたい」と、数種類のケールも栽培し、リシティ運営店のほか、小山市内の飲食店に卸す。昨年末からは、少しずつ都内への流通もはじめた。「人手が足りないのが一番の問題ですね」。体力的に厳しいがそれでも「農業は楽しい」という。自分の作ったものが人を笑顔にする。だから、一軒一軒必ず自分の手で届けにいくそうだ。生産と消費の距離を縮めるために一次産業から飲食店をやっていきたいという考えを抱いていた杉本氏。彼との出会いが契機となり、2016年1月、篠崎氏とともに農業生産法人「ネオハルオヤマ」を立ち上げた。自社で栽培した野菜の加工・販売やファーマーズレストランの出店などを計画中だ。2人とも新たな挑戦に胸を躍らせる。

勉強熱心で行動力は抜群、だけど謙虚で自然体。ひたむきに目標に突き進む。核となっているのはいつも「FOR YOU」の気持ちだ。杉本氏に今後の目標を聞いた。「小山市の飲食市場は100億円規模。その中でNo.1をとれたら30億円企業になれる。そうなったらもっと『店づくり=街づくり』になってくる、もっと重なってくると思います。10年後までにはそうなっていたいですね。会社全体としては、一次産業から関わっていく姿勢をこれからも進めていきたいです」と話す。「飲食店が地域をつくる」という重く大きな役割を背負う同社。その一歩一歩を見つめ伝えていきたい。

(取材=望月 みかこ)

店舗データ

店名 とり七 西口店(とりしち にしぐちてん)
住所 栃木県小山市城山町3-6-31
アクセス JR宇都宮線 「小山駅」から徒歩1分
電話 0285-20-3707
営業時間 17:00〜24:00
定休日
坪数客数 18坪 50席
客単価 3200円
運営会社 株式会社RECITY
関連リンク RECITY(HP)
関連リンク とり七 西口店(FB)

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