マイボトルで飲むドラフトビールは一味ちがう！新しいスタイルの酒販店「Liquor Shop NIGHT OWL（リカ―ショップ ナイトオウル）」恵比寿に3月29日オープン

恵比寿西口徒歩1分、ビル1階にオープンした「Liquor Shop NIGHT OWL（リカーショップ ナイトオウル）」。店名の「NIGHT OWL（夜のふくろう）」が描かれた扉を開ければ、天井高くスタイリッシュな空間が広がる。日本では非常にめずらしい、樽生ビール、樽生ワインを樽から酒用のリターナブルボトル「Growler（グラウラー）」に注ぎ、量り売りする新しいスタイルの酒販店だ。マネージャーの小菅氏は「日本ではまだあまり知られていないが、アメリカ西海岸やポートランド、ヨーロッパなど国によってはポピュラーな販売スタイル」と話す。酒販店といっても店頭で酒を購入して飲む角打ちではない。「少量の試飲では味が分かりにくい、有料にはなるがちゃんとしたグラスである程度の量を飲んでもらい、本当に気に入ったものをお持ち帰り頂きたい」という思いから有料試飲のスタイルをとった。

メインは樽生ビールと樽生ワイン。冷蔵庫につながれたタップ数は6つ。4種はビール。取材日は、新潟ビール醸造所の「胎内高原 ピルスナー」（1433円/750ml）、世界的に有名なスコットランドの醸造所「ブリュードッグ」から、バーボンウイスキーの老舗「ヘヴンヒル」の樽で熟成させた極上インペリアルスタウト。「BREWDOG Paradox Heaven Hill」（3870円/750ml）。樽生ワインは中の袋からワインを押し出すので酸化しにくい。ニュージランド「ALLAN SCOTT Pinot Gris 2013」（2145円/750ml）、「ACROBAT Pinot Noir2011」（2415円/750ml）。定番は設定せずに、1タンクが空けば新しいものをつなぐ。もうひとつの売りであるウイスキーは、スコットランドスカイ島の「タリスカー」。シングルモルトウイスキーの中でもスモーキーなピートの香りや、スパイシーさを感じられるタイプだ。その10年物（4000円/700ml）と、ホワイトオークの5リットル樽で3か月程熟成させたもの（1000円/100ml）を量り売りしており、違いを楽しむことができる。その他、日本酒は長野県上田市で350年続く「岡崎酒造」。銘柄「清酒 亀齢（きれい）」は、すべて手作業で伝統的な「袋しぼり」を行ない、製造量は年間わずか100石と希少。「清酒特別純米 ひとごこち生貯蔵酒」（720ml/1680円）含む5種が揃う。

フードは単体でも美味しく、酒とのペアリングも楽しめるものを。スペインCUCA社「オイルサーディン」（719円）、「ムール貝のガリシアンソース」（700円）、「ヤリイカのイカ墨漬け」（1000円）など。一部持ち込み可とする同店。世界一と称されるスペインの「アンチョビフィレELITE（エリテ）」（1500円）を購入し、バケットをはじめ、お茶漬けが最高とライスを持ち込む常連客もいるそう。その他、フランス産の食前用に作られた「アペリティフチョコレート」（アニス、フェンネル、コリアンダー 各1300円）、バラの花びらをレモンと砂糖でつけた「ローズ・ジャム」（1800円）は、花びらの形が残っており自然な甘さだ。いずれも高品質、高感度な食品が並ぶ。

オープンして半年、恵比寿周辺の地元客はもちろん、SNSや口コミで広域から集客。中には名古屋や大阪など遠方からも来店する。今後について、「長野でホップを栽培しており、食用としてハーブのようにホップを展開したい。自分で生産したホップでオリジナルのビールをつくりたい」と話す。小菅氏のセレクト基準は、ものづくりに対する作り手との共感だ。「日本をはじめ世界には、伝統を守り丁寧に手作りされている食べ物や、飲み物がたくさんある。自分なりに広めて守っていきたい」と話す。

店舗データ