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ラーメン界の気鋭、柳宗紀氏が挑む東京発“新ラーメンスタイル”!ヘルシーな“ベジ割り”で女性客を魅了するつけめん店「東京Mods」が10月13日オープン

引き戸をひと際目立つ黄色に配色し、店頭を走り去る車へのアイキャッチ効果を高める
一番人気の「東京Modsつけ麺」(980円)。“モッズ”の象徴でもあるベスパのミニチュアを飾るなど、店内装飾にも気を配る
「本日のベジ割り」と謳い、使用する野菜と効用を貼り出して客にヘルシーさをアピールする
SOU代表取締役の柳宗紀氏(写真右)と、現場を切り盛りするスタッフの熊倉佑樹氏

(取材=印束 義則)


5年前に東京・高田馬場に創業した「麺屋 宗 高田馬場本店」。“塩ラーメン”が売り物の店として着実にその名を業界に刻み込みながら、2年後には中目黒に2号店の「麺屋 宗 中目黒店」を出店。さらに挑戦の歩みを止めることなく、3年目には業態を変えた3店舗目の店「麺屋宗 肉そば総本店」をときわ台に出店する。そして4年目には、東村山にまたもや業態を変えた「麺屋宗 とりそば総本店」を立ち上げる。ほぼ年に1店舗のペースで順調に出店を続け、5年目の2012年10月13日。創業の地、高田馬場に5店舗目の「東京Mods」を開いた。“塩ラーメン”“肉そば”“鶏そば”と続き、今回は“つけめん”を看板商品に据えた業態で勝負をかける。33歳の若手経営者、SOU(東京・新宿区)代表取締役・柳宗紀氏が見据えるラーメンビジネスの可能性とは? 「東京Mods」は、夜は人通りもまばらになる寂しい大通り沿いにあり、3坪・8席の古ぼけたラーメン店の居抜き物件を最小限の手直しで開業。総投資額は200万円で、損益分岐点は100万円に抑え、目標月商200万円を掲げる。店舗は横長の造りで、引き戸を黄色に配色してインパクトを強め、走り去る車にもそこに店があることを強く認識できる存在感を打ち出し、“どこか気になる店”として人々の記憶に店の存在をすり込んでいく。「東京Mods」という、強く印象に残る店名もそう。さらに、ミュージシャンとおぼしき人物が楽器の代わりに麺茹のテボを持って“モッズカラー”の赤、青、白の3色に彩った“キャラクターロゴ”が、ひと味違うお洒落なラーメン&つけめん店との印象を醸し出している。 看板商品のつけめんは、鶏は鶏ガラとモミジを30Kg、豚はゲンコツと背ガラを10Kg用い、口径54cmの寸胴で7~8時間煮込んで毎日継ぎ足しながら作る、濃厚でパンチのきいたつけ汁が特徴。麺は国産小麦100%の極太麺で、もちもちした食感が楽しめる。具材のメンマは極太と極細の2種を。チャーシューは豚バラ肉を用いて厚さ2~2.5cmのゴロンとした形に切り分ける。半熟に仕上げた味玉は贅沢に地鶏の卵を用いる。メニューは「つけ麺」(800円)、「味玉つけ麺」(900円)、「メンマつけ麺」(950円)、「東京Modsつけ麺」(980円)、「チャーシューつけ麺」(1050円)と絞り込みながらも具材で変化をつけ、煮干し油と海老油で味を変える50円増しの「煮干しつけ麺」「海老つけ麺」への変更も可能にし、多様な嗜好に対応する。サイドメニューは「明太子めし」「肉めし」(各220円)、夜の飲酒利用を狙った「つまみメンマ」(180円)、「ネギチャーシュー」(350円)、「三品盛(味玉・肉・メンマ)」(500円)を揃え、具材の有効活用でバリエーションを増やしている。 “つけめん”といえば、麺の量が並盛も大盛も“同一料金”という売り方と締めの“スープ割り”が特徴で、大半の店がこうした提供法を取り入れている。「東京Mods」もこうしたポイントをきちんと抑え、並盛200g、中盛250g、大盛350gを同一料金で供し、さらに150円増しで600gになる特盛を揃える。スープ割りは鶏ガラ、モミジ、数種の魚介などで仕上げたあっさりスープの一般的なスープ割りの他に、同店独自の“ベジ割り”も導入。ベジ割りとは数種の野菜を用いた日替わりの“野菜スープ”を加えてつけ汁を割るもので、野菜が摂取しづらいというつけめんの弱点を上手に補い、「本日のベジ割り」として当日使用の野菜を店内に貼り出して客に訴求する。野菜の組み合わせは栄養士に監修してもらい、専門家の視点から栄養素吸収率、効能などのヘルシーさを追求。同店がベジ割りを導入した狙いは、ベジポタラーメンやトマトラーメンなど昨今の“ベジラーメン”の人気に着目してのもの。こうした現代のラーメンの潮流に注目しながら流行を十分に咀嚼し、自店ならではの独自性を打ち出す。最初に通常のつけめんを味わってもらい、そして締めのベジ割りで味の変化を楽しませる。それでいて健康にもよいという、女性客が魅力を感じる商品力の高い一品に仕上げている。 今回の出店はまず物件ありきの業態開発で、柳氏が「テナント募集」の貼り紙を見かけたことからすべてがスタートしている。「麺屋 宗 高田馬場本店」から徒歩5分の近さだったからことから本店と食い合いにならず、それでいて近さを生かせる業態としてつけめん業態を考案。3坪の手狭な物件だったため仕込みは本店で一括して行ない、それを店舗にはこんで「東京Mods」では調理のみを行なうスタイルを採用した。つけめんは本店でも提供しており、それをブラッシュアップして独自性を強め、「東京Mods」の看板商品へと据えた。柳氏の考えるラーメンビジネスとは、一つひとつの業態力を磨きながらも決して単一業態に寄りかかることなく、常にリスクを分散するというもの。3店舗目以降、看板商品を変えた業態展開を図るのもこうした考えに沿ってのものであり、また、積極的に“限定メニュー”や“セカンドブランド”にも着手している。“限定メニュー”は期間と売れ数を限定して提供するもので、これまで全店合わせて30~40種もの商品を開発。一方、“セカンドブランド”は通常営業を休み、その間は別業態で営業するという思い切った売り方のもの。それは曜日限定であったり、まとまった日数で行なうものであったりする。こうして客の反応を多角的に掴みながら引き出しを増やしていき、体力のある経営体質を作り上げている。今回の開業が実現したのも、そうした数々の積み重ねがあってのものだ。 当初はつけめんのみで営業を行なってきたが、調理オペレーションに慣れた最近では「らーめん」(750円)の提供も始め、さらなる魅力強化に努めている。半世紀前にイギリスで巻き起こり、その後、世界へと影響力を強めていった“モッズ”というライフスタイルのムーブメント。その精神を大胆にも店名に託し、東京発の“新ラーメンスタイル”を発信していく。同店のこうした積極果敢な試みは、はたしてラーメン業界に新たな潮流を築くことができるのか? 「東京Mods」の意欲的な取り組みから、いま目が離せない。

店舗データ

店名 東京Mods
住所 東京都豊島区高田3-22-12

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アクセス JR高田馬場駅より徒歩10分
電話 070-6966-9011
営業時間 11:30~16:00、18:00~22:30(スープが無くなり次第終了)
定休日 無休
坪数客数 3坪・8席
客単価 850円
運営会社 SOU株式会社
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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