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【スペシャル企画】予約受付から分析まで――タブレット一つでの飲食店経営を目指す新サービス「レストランボード」開発者インタビュー

リクルートライフスタイル社から2016年11月、予約台帳アプリ「レストランボード」オプション機能(有料)がリリースされた。同年5月に提供を開始した本サービス(無料版)との機能面の違いや導入事例とは? 今後の展開を含め、開発者に話を伺った。


【開発者プロフィール】

修正

株式会社リクルートライフスタイル 執行役員

ネットビジネス本部 クライアントソリューションユニット ユニット長

山口 順通

2005年に株式会社リクルート(現株式会社リクルートホールディングス)入社。その後、ホットペッパーグルメの編集長などを経て、2015年に株式会社リクルートライフスタイル執行役員に。

 

 

―今回は2016年5月にリリースされた、0円からカンタンに使える予約台帳アプリ「レストランボード」について伺いたいと思います。まずは無料版の特徴からお願いします。

レストランボード使用イメージ

山口:無料版の主な機能は大きく分けて3つあります。1つめは予約管理。ホットペッパーグルメはネット予約が多く(利用者数国内No1)、電話で受けても来店実績がある方なら電話番号を打ち込めばすぐに情報を出せます。ネットと電話登録のダブルブッキングを予防する警告機能もあるので、席を効率よく管理できるとの声をいただきます。予約管理に関してはその他機能がいろいろとあり、例えば喫煙か禁煙かなど、店舗様サイドで確認項目を登録できるため、実際にご利用いただいている店舗様から「聞き忘れが少なくなった」というお声をいただいています。直観的に操作できるよう開発しているので、新人スタッフにも安心して任せられると思います。

 

―紙の予約台帳にありがちな「1」と「7」を読み間違えたり、修正するうちに汚くなったりといったリスクも回避できますね。

山口:はい、店全体の効率化に繋がると思います。2つめの特徴が当日の席の管理。一般的に飲食店様に多いホワイトボードを使った席管理だと各席の稼働状況を把握するのに限界がありますが、レストランボードではお客さまが来店してからどれくらい経過しているといった細かな情報を記録でき、それに応じてオペレーションを変えられます。また、POSレジアプリ「Airレジ」(※)と連携することで各席の売り上げ状況が確認でき、例えば長時間追加注文がないテーブルに優先的にオーダーを取りに行くなど店舗ごとの活用も可能に。実際の配置に合わせて画面上のレイアウトを変えられる(有料)ので、特に小規模の店舗さまは見やすくなると思います。

主な機能

(※リクルートライフスタイル社が開発、2013年11月リリース。店舗での会計や席管理、売り上げ分析など従来のPOSレジでは実現できなかった機能がiPad一つで0円でカンタンに使える)

さらに、系列店舗を一括管理できるので、混雑状況に応じて例えばA店が満席なので近くにある系列のC店をご紹介することも可能です。これで成約率が高くなったという店舗様も。

3つめの特徴が顧客情報の蓄積と活用です。これまでは顧客情報といっても店長さんしか知らない、またはノートに記すくらいだったのが、データをためて全スタッフで共有することでサービスレベルの底上げを図れます。現在はタブレットをレジの横に置いていただいている店舗さまが多いですが、複数デバイスに対応しているので、スタッフにスマートフォンを持ってもらい各自で把握するケースもあります。

 

―この3つ以外の機能についても伺えるでしょうか。

山口:その他の機能としては、情報の分析です。例えばこの2週間でどのコースや料理が一番売れたかなど、蓄積したデータを踏まえてオペレーションに組み入れたり、メニューを開発したり、あるいはクーポンに反映したりと戦略的に売り上げに繋げていただけます。

また大変好評をいただいているのが、印刷機能です(※オプション機能ご利用の方または、ホットペッパーグルメご利用で使える機能)。飲食店さまのキッチンだと、どうしても水や油など付いてしまうのでタブレット操作が難しい場合がある。「キッチンでは従来どおり紙がいい」というお声を受けて2016年6月から提供を開始しました。その日の予約状況を印刷して、キッチンに貼ったり、スタッフ全員に配って共有したりしている店舗さまもいるようです。

 

―続いて11月にリリースした有料のオプション機能について伺います。特徴的な機能というのは。

山口:大きく3つの機能が加わりました。まず、メッセージ配信機能。たまった顧客データ活用の一環で、例えば誕生日のお客さまへのお祝いや来店翌日のお礼のメッセージ、アンケートやクーポンプレゼントなど、ターゲットに販促アプロ―チをかけられるよう基本的なテンプレートを用意しており、多くの店舗さまにご利用いただいています。こちらもAirレジとの連携により単価が一定以上のお客さまに絞るなどのセグメント化も可能です。

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2つめはホームページ作成機能です。これ自体は特別新しい機能ではありませんが、私たちが目指したのは「誰でも簡単に作れること」で、約100のテンプレートから選んで1時間もあれば店舗オリジナルのホームページが作られます。さらにホットペッパーグルメを契約いただいている場合は、ホットペッパーグルメを修正すれば自動でホームページも更新できるようになっています。

 

―日々、飲食店の取材をしていると、たしかに業務に追われてホームページを放置しているか、開設に踏み切れないというお話も伺います。ホットペッパーグルメの内容が反映されることで常に情報を新鮮に保てるというのは、特にパソコン作業が苦手な経営者にとってポイントですね。

山口:はい。実際に話を聞くと「忙しくて更新できないだろうからホームページを作っても……」という店舗さまはかなり多く、新メニューやキャンペーンの情報が自動更新されるというのは、SEOの観点から見ても大きなメリットだと思います。

3つめはネット広告配信機能で、Yahoo!やGoogleへのリスティング広告やバナーディスプレイ広告です。経緯としては、店舗さまから「興味はあるけれど自分でアカウントを作って最適化して……となるとなかなか難しい」というお声が多かったことがあります。

今ご説明した、オプション機能「メッセージ配信」「ホームページ作成」「ネット広告配信」に関しては、一律1万8,000円(毎月)で提供しています。

 

―他社の予約関連アプリとの大きな違いや御社の強みはどこにあるでしょうか。

山口:やはり、会計や席管理にまつわるAirレジとの連携が特徴的です。会計情報を含めた分析まではなかなか日々の業務で振り返れないという方が多いです。よく聞くのが、売り上げ1位と2位のメニューは分かるけれど、それ以外は正確に把握していないパターンですね。Airレジと連携することでメリットはいろいろありますが、もちろんレストランボード単体でご利用いただけるので、例えば、従来のPOSレジで他社のグルメサイトを使っているけれどレストランボードを使っているというケースもあります。一つのIDで提供しているため、顧客情報も会計情報も基本的には同じデータベース上にあります。連携すればするほど情報が溜まってリピート販促や分析などにそれぞれのデータが紐づいていくという仕組みなんです。

顧客台帳

また、営業担当やサポートスタッフが日々お客さまと接する中でニーズを吸い上げたり、実際に企画に携わっているウェブディレクターがお店を訪ねたり、あるいは協力店舗さまのログを分析したりと、対面・非対面含め、より使いやすいサービスにアップデートするさまざまな取り組みを行っている点も特徴だと思います。業務支援を目的にサービス開発したのに、それで業務が止まってしまっては本末転倒です。どれだけ店舗さまの業務を阻害せずに効率化を図っていただけるかが大切になってきます。インストールして終わりではなく、人が直接店舗に来てサポートする人対人の姿勢は、ホットペッパーを創刊した2000年から続く弊社の強みです。

 

―現在のレストランボード導入数を伺えますか。またオプション機能リリースの経緯についても。

山口:レストランボードの導入数は非公開ですが、オプション機能の利用店舗数は、11月にリリースして、すでに1万件以上の店舗さまにご利用いただいています。3つのオプション機能誕生の背景にあるのは、多くの店舗さまからの「データを売り上げに繋げるための活用法が分からない」というご意見でした。飲食店がより効率的に売り上げを伸ばすためには、ITの活用レベルを上げる必要がありますし、店舗経営にまつわる業務のIT化はより進んでいくと思っています。

 

―最後に、今後レストランボードとして目指すところは。

山口:開発にあたり、私どもは「ITを使って飲食店の業務支援を行う」という発想で取り組んでいます。今は予約管理や販促の面でお手伝いしていますが、飲食店であれば他にも仕入れやシフト管理など業務内容は多岐に渡ります。制限はかけず、言ってしまえばiPad一つあればお店の経営管理ができるイメージで、今後も店舗さまにとって良質なサービスを全方位的に提供していければと思います。

 

―ありがとうございました。

(取材=井上こん)

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