編集長のつぶやき

【VOICE FROM EDITOR】2008-05-29

“新宿三丁目戦争”を仕掛けたDDの野心

“新宿三丁目戦争”を仕掛けたDDの野心

6月14日の地下鉄副都心線開通を控えて盛り上がる“新宿三丁目”エリア。ディープな飲食店が並ぶその中心の末広通りに、ダイヤモンドダイニング(DD)60店舗目が5月29日オープン。“三丁目戦争”が勃発した。

5月15日に品川駅港南口の飲食店街中心地1階に鉄板焼ビアホール「タイムシャワー ブリュワリー」をオープン、「大爆発しています!」(松村社長)と絶好調のDDが、今度は飲食業界の曲者たちが型破りの店を出してけんを競うディープなエリア“新宿三丁目”に殴りこんできた。場所は、“立飲みの聖地”といわれる「日本再生酒場」(9坪で月商1,500万円を売り上げる)、このエリアで7店舗展開しているワルツのワインバー「マルゴー」などがある末広通り。いまだ健在の寄席「末広亭」があることから通りの名がついた。出版社や新聞社などのマスコミ関係者がよく利用するエリアだ。

今回の店は“炉端バル”「野生の風」。地下の店だが、店内中央の炭場を囲んだロの字型のカウンターが印象的。炉端焼き料理のほか、珍しいダッチオーブンも登場、ドリンクは全国から集めた30種類の国産クラフトビール、安田久さんもびっくりの“47都道府県果実酒”、飲み口に塩を乗せたレモンサワーなど、マニアックなラインナップ。「三丁目に集まるディープな客を楽しませるには、マニアックな手法で」というわけか。200坪の立川や上野の大箱では既存の大手チェーンと真っ向から斬り結び、ここ30坪もない小さな穴倉のような箱では既存の地場飲食店とマニアックな戦いをする、その機動力、フレキシビリティーがいまのDDの真骨頂だろう。まるで戦いを楽しんでいるかのようだ。

この三丁目エリアは、業界では「チェーン店が出てきても失敗する」といわれてきた。しかし、最近異変が起きつつある。物件が少ないために家賃は高騰。物件が出ても出店できるのは体力のある大手ということになる。地元不動産関係者は「大手は入れたくない。この街の雰囲気が壊れるから」と頑張ってきたが、昨年出た1階物件にはハブの「82ALEHOUSE」が入った。そして、今年3月には大手牛丼チェーン店出身者が手掛けた浜焼き居酒屋「丸港水産」が堂々オープン。ネオサポートの浜倉好宣さんの創った「丸冨水産」の“そっくりさん”である。オリジナリティにこだわる編集者やライターが集まるこの三丁目で、「これはないんじゃない」といわれている店。「82ALEHOUSE」「丸港水産」も一見客が入っているようだが、これまでの三丁目の客層とは明らかに違う。「丸港水産」の呼び込みもこの街にはそぐわない光景だ。

つまり、いま新宿三丁目で何が起きているかというと、地下鉄新駅開通で来街客の増加を見込んだチェーン店系企業が参入、既存の地場系飲食店の聖地に殴り込みを掛けているという図式である。地場系も元気で、ワルツのワインバーやイタリアンも毎日満席を続け、再生酒場は夕暮れから終電近くまで店先に客がたむろしている。居酒屋の「呑者家」は2月に3店舗目となる立飲み「ありがとう」を出した。こうした地場対チェーン店の戦いに、“ニューチェーン”の旗手として頭角を現した“黒船”DDが参戦、果たしてこの“三丁目戦争”の行方やいかに?

※毎週木曜日に発行しているメルマガをぜひご購読ください。購読料は無料です。購読方法はメルマガ登録フォームから。

【筆者プロフィール】

(佐藤  こうぞう)
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。1997年の金融不祥事発覚の突破口となった「野村證券総会屋利益供与事件(元社員の手記)」をスクープした『月刊BOSS』(編集長代理)など、数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で“隠れ家レストランの仕掛け人”として、プロデュースした神楽坂「art et vin HAP(アール・エ・ヴァン ハプ)」が取り上げられる。
日本で初めて「レストランビジネス・ジャーナリズム」分野の開拓を目指す傍ら、レストランビジネス・プロデューサーとして「レストラントレンド」をテーマに講演・執筆を重ねている。日本ショッピングセンター協会発行の『SC JAPAN TODAY』4月号より「食のマーケット&トレンド」を連載開始。
2007年5月、有限会社カシェットから「フードスタジアム」を分社独立、渋谷区代々木にフードスタジアム株式会社を設立。業界トップのWEBニュースとして、現在月間PV600,000を超える東京レレストラン&グルメニュース「フードスタジアム」の拡大、全国展開に乗り出す。『ARIgATT』の復刊も模索中。
佐藤こうぞうブログ「つぶやき編集長の『毒にも薬にも…』」も開始。“裏つぶやき”として話題に。

コメント(0)  トラックバック(1)

【VOICE FROM EDITOR】2008-05-22

“新興外食グループの逆襲”が始まったが…

“新興外食グループの逆襲”が始まったが…

外食業界では大手チェーン店のリストラ、中堅成長企業を中心とするM&A絡みの業界再編が進んでいるが、その中でM&A戦略を武器に台頭してきた“新興外食グループ”。買収先店舗のリニューアルや新業態へのチャレンジの動きも急だが…

M&A戦略で成長を続ける名古屋・稲吉正樹氏率いるジー・コミュニケーショングループ、印刷会社を買収しアクロバティックな株式上場を果たし外食成長企業を次から次へと傘下に収め、先ごろもセラヴィ・リゾートを買った横川紀夫氏のヴィア・ホールディングス、プライム・リンク「とりでん」、フーディアム・インターナショナル「串特急」、「とり鉄」などを傘下に収めた山口伸明氏のアスラポート・ダイニングチャイナクイックを傘下に収めたCQエンターテインメントなど、ここ数年で外食業界に突如現れた新勢力がユニークな展開を始めている。

それらのトップは、出自は学習塾のFCチェーン、すかいらーくの創業家、ダイエーの外食チェーン、メディアプロモーション業などの出身者。チェーンビジネスの発想や異業種からの発想、あるいはファンド的な発想がベースにあるのだろうが、彼らの展開する新業態店舗は「パッケージの量産化」を前提にしたビジネスモデルという側面がすけて見えて、業界活性化につながるようなチャーミングな店にはあまりお目にかかれない。

ジー・コミの「アントニオ猪木酒場」、ヴィアの「紅とん」などはいまのところ確かに“勝ち組”に入っているようだが、展開が急なあまり立地戦略を誤ると、とたんに不採算店が出てくることになるだろう。先日も話題になっているアスラポートの「串特急」リニューアル店の「西新10区」を訪ねた。期待して行ったのだが、リニューアルといっても“近未来型”というテーマで内装が一部変わっただけ。しかも部分的にメタリックなアイテムを取り入れただけの中途半端なリニューアルだった。これで新規顧客が増えると言うのだろうか。いまの外食マーケットはそんなに単純ではないハズだ。

新宿の東口に出て、4月にオープンした「アントニオ猪木酒場」を覗いた。木曜日19時で客は2組のみ。巨大なスペースだけに寒々しい風が吹いていた。歌舞伎町のさくら通りの奥、風俗店ひしめくエリアにオープンした「我的家(ウォディジャ)」。チャイナクイックの中華新業態だ。水槽の魚と陳列された野菜から客が素材を選び、好みの調理法を指定して料理を注文するというスタイル。かなり冒険的な業態だが、なぜこの立地なのか、それが理解できなかった。20時からしばらくいたが、客はやはり2組のみ。外食業界の専門紙誌を賑わす話題企業だが、「飲食業への愛情」や「客の顔」が見えない、とても空しいリサーチだった。

※毎週木曜日に発行しているメルマガをぜひご購読ください。購読料は無料です。購読方法はメルマガ登録フォームから。

【筆者プロフィール】

(佐藤  こうぞう)
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。1997年の金融不祥事発覚の突破口となった「野村證券総会屋利益供与事件(元社員の手記)」をスクープした『月刊BOSS』(編集長代理)など、数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で“隠れ家レストランの仕掛け人”として、プロデュースした神楽坂「art et vin HAP(アール・エ・ヴァン ハプ)」が取り上げられる。
日本で初めて「レストランビジネス・ジャーナリズム」分野の開拓を目指す傍ら、レストランビジネス・プロデューサーとして「レストラントレンド」をテーマに講演・執筆を重ねている。日本ショッピングセンター協会発行の『SC JAPAN TODAY』4月号より「食のマーケット&トレンド」を連載開始。
2007年5月、有限会社カシェットから「フードスタジアム」を分社独立、渋谷区代々木にフードスタジアム株式会社を設立。業界トップのWEBニュースとして、現在月間PV600,000を超える東京レレストラン&グルメニュース「フードスタジアム」の拡大、全国展開に乗り出す。『ARIgATT』の復刊も模索中。
佐藤こうぞうブログ「つぶやき編集長の『毒にも薬にも…』」も開始。“裏つぶやき”として話題に。

 

コメント(0)  トラックバック(0)

【VOICE FROM EDITOR】2008-05-15

“松村ワールド”と“新川イズム”が業界を面白くする!

“松村ワールド”と“新川イズム”が業界を面白くする!

外食不況を吹き飛ばすようなオープニングパーティーが続いた。10日には新川義弘・HUGEが六本木ヒルズ「リゴレット」で、13日には松村厚久・DDが品川に「タイムシャワー」で、覇を競い合うように“業界人大集合”のレセプションを開催した。

それはまさに、不況風を吹く飛ばすような盛大なレセプションパーティーだった。HUGEダイヤモンドダイニングの“ガチンコ対決”は昨年9月の銀座ニッタビル以来。地下1階に、両者は向き合うように新店を出した。その戦いも冷めやらぬうちに、今度はところを変えて再対決。レセプションの規模こそ、森ビルから最高最大の区画を提供されたHUGE・新川さんの「リゴレット バー&グリル」に軍配が上がったものの、品川港南口飲食街の中心地の1階角地を取ったDD・松村さん「タイムシャワー ブリュワリー」も多くのマスコミ人や業界人を集め気を吐いた。

レセプションパーティーの賑わいぶりを比較してもあまり意味はないが、いま業界を動かしているこの二者の戦いは、今後のレストランビジネス、外食トレンドを見ていくうえで参考になる。新川さんは、今回のオープニングで「百年品質」と表紙に刷ったパンフレットを配った。中身を開くと、タイトルに“100年品質レストラン”とある。新川さんはこう書く。「多くの外食の店舗ではコンセプト(業態)や店舗の寿命は3年から5年と言われています…これは外食産業のバリエーションを豊かにし、楽しくしているのも事実ですが、…長く続いているいる店は、決して多くありません」。

「…一つの場所に、お店をずっと残すという事は、ハードの力(デザインやコンセプトのこと)ももちろん必要ですが、…そのお店にオペレーション力(サービスやスタッフの目標・目的、スキルアップなどのソフト面のこと)があるという事。私達は面白い店も、面白い業態も作りますが、一番大切にしていきたいものは、この『オペレーション力』です」と続き、そして「…私達は、街の資産になるレストラン作りをしていきます」と締めくくっている。その地に根を張った長く続くレストランをつくること、その“新川イズム”を改めて打ち出したのだ。

それに対し、“100業態100店舗”をビジョンに掲げるDD(ダイヤモンドダイニング)・松村さんは、まさに新川さんが指摘するような「コンセプト(業態)」を打ち出し、「外食産業のバリエーションを豊かにし、楽しくしている」業界の代表格だろう。新川さんは「リゴレットブランド」(現在5店舗)を立地、客層に合わせて水平多店舗展開、松村さんはあくまで一業態一店舗展開を貫いている。いずれも“ニューチェーンのリーダー”といえるが、スタートで先行した松村さんが昨年は「外食アワード2007」を受賞し、昨日14日付けの日経MJ紙で公表された「飲食業07年度ランキング」で店舗売上高伸び率1位に選ばれるなど、外食業界での評価が急速に高まってきている。

新川さんも、そのパワーからいって松村さんを猛追することは間違いない。「業態開発力」か「オペレーション力」か、いずれにしても“松村ワールド”と“新川イズム”の戦いが業界を面白くしてくれることは間違いない。

※毎週木曜日に発行しているメルマガをぜひご購読ください。購読料は無料です。購読方法はメルマガ登録フォームから。

【筆者プロフィール】

(佐藤  こうぞう)
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。1997年の金融不祥事発覚の突破口となった「野村證券総会屋利益供与事件(元社員の手記)」をスクープした『月刊BOSS』(編集長代理)など、数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で“隠れ家レストランの仕掛け人”として、プロデュースした神楽坂「art et vin HAP(アール・エ・ヴァン ハプ)」が取り上げられる。
日本で初めて「レストランビジネス・ジャーナリズム」分野の開拓を目指す傍ら、レストランビジネス・プロデューサーとして「レストラントレンド」をテーマに講演・執筆を重ねている。日本ショッピングセンター協会発行の『SC JAPAN TODAY』4月号より「食のマーケット&トレンド」を連載開始。
2007年5月、有限会社カシェットから「フードスタジアム」を分社独立、渋谷区代々木にフードスタジアム株式会社を設立。業界トップのWEBニュースとして、現在月間PV600,000を超える東京レレストラン&グルメニュース「フードスタジアム」の拡大、全国展開に乗り出す。『ARIgATT』の復刊も模索中。
佐藤こうぞうブログ「つぶやき編集長の『毒にも薬にも…』」も開始。“裏つぶやき”として話題に。


コメント(0)  トラックバック(0)

【VOICE FROM EDITOR】2008-05-08

「渋谷」が動き出した…

「渋谷」が動き出した…

池袋―渋谷間を16分(急行11分)で結ぶ地下鉄副都心線が6月14日にいよいよ開通する。その工事の最終局面を迎えた渋谷を歩いてみた。

地下鉄副都心線のキーステーションとなる池袋、新宿三丁目、渋谷の3駅周辺はいま、飲食店の新たな立地場所として見直しが進んでいる。池袋駅では東京メトロが表参道駅で成功した地下鉄内商業施設「Echika(エチカ)」を来年2月オープンを目標に開発している。また、池袋西口に来年「新メトロビル」が飲食店ビルとしてオープンする。渋谷駅の「Echika」計画は周辺の既存店との調整期間が必要で地下鉄開通1年後のオープンになるとみられる。さて、駅周辺は動いているだろうか。連休明けの昨日、渋谷駅周辺を歩いてきた。

まず、スクランブル交差点の角に明日9日、南仏生まれのコスモブランドショップ「ロクシタン」が世界初のカフェをオープンする。昨日はその内覧会だったのだが、1階が物販、2階には野菜やパン、スイーツが並んだマルシェ(市場)に囲まれたカフェ、そして3階はゆったりと寛げるカフェスペース。プロデュースしたのはユニマットキャラバン取締役本部長の金井伸作氏とオーバカナル事業部長の田代圭氏。「ロクシタンは世界の有名ホテルのアメニティには必ず使われているコスメ界のスーパーブランド。それを敢えて渋谷のハチ公口にもってきました」と金井氏。ロクシタンスタイルが定着すれば、渋谷の街のイメージが変わるかもしれない。

地下鉄副都心線開通で大きく変わるのは、新しい地下鉄出入口ができる明治通り沿いである。その明治通り沿いに新店が次々にオープンしている。宮下公園側には陸橋近くに5月6日、“味つけ焼ホルモン”というニューコンセプトの「達磨天狗」がオープンしたばかり。経営は株式会社KID’S。ジンギスカン鍋でホルモンと野菜(キャベツとニラ)を焼き、味噌味のオリジナルタレに付けて食べる“新鉄板鍋”。同社の“ポストもつ鍋”の実験店か。明治通りを渋谷駅方面に戻ると、東口の陸橋のふもと、「東京トンテキ」に下にフォーシーズが4月17日、“ベタコテ系”初業態「串かつ でんがな」をオープンした。明治通りと246が交差する角立地で完全立飲み。「なにわゴールデン」などのハイボール、「わさびサワー」「缶ワイン」などユニークなドリンクの提案が目を引いた。

陸橋を渡って、恵比寿方面に向かって右側の通り。ここはかつて“フランチャイズ通り”と言われたように、大手チェーン系の丼業態、麺業態が多かったのだが、いまはトレンドを映して家系のつけ麺店など個性的な業態が並んでいる。その一角に3月オープンしたのが「渋谷三丁目酒場」と「Ume桜」。「渋谷三丁目酒場」は「プロント」「紅とん」のFCから飲食に参入した株式会社FBプロデュース初のオリジナル業態。“新鮮和豚専門店”だが、人気のコラーゲンをそのまま出す「コラーゲン刺し」や豚のミルフィーユの天婦羅「みるとんてん」など面白いメニューを出している。ドリンクもいま旬の“三冷ホッピー”を打ち出していた。「Ume桜」は店舗プレミアムの新業態で“梅酒スタンディングバー”。アルコール度数、甘辛の種類の違う35種類の梅酒を集めている。明治通りを歩いて、「渋谷が動き始めた…」と実感した。

※毎週木曜日に発行しているメルマガをぜひご購読ください。購読料は無料です。購読方法はメルマガ登録フォームから。

【筆者プロフィール】

(佐藤  こうぞう)
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。1997年の金融不祥事発覚の突破口となった「野村證券総会屋利益供与事件(元社員の手記)」をスクープした『月刊BOSS』(編集長代理)など、数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で“隠れ家レストランの仕掛け人”として、プロデュースした神楽坂「art et vin HAP(アール・エ・ヴァン ハプ)」が取り上げられる。
日本で初めて「レストランビジネス・ジャーナリズム」分野の開拓を目指す傍ら、レストランビジネス・プロデューサーとして「レストラントレンド」をテーマに講演・執筆を重ねている。日本ショッピングセンター協会発行の『SC JAPAN TODAY』4月号より「食のマーケット&トレンド」を連載開始。
2007年5月、有限会社カシェットから「フードスタジアム」を分社独立、渋谷区代々木にフードスタジアム株式会社を設立。業界トップのWEBニュースとして、現在月間PV600,000を超える東京レレストラン&グルメニュース「フードスタジアム」の拡大、全国展開に乗り出す。『ARIgATT』の復刊も模索中。
佐藤こうぞうブログ「つぶやき編集長の『毒にも薬にも…』」も開始。“裏つぶやき”として話題に。

コメント(0)  トラックバック(0)

【VOICE FROM EDITOR】2008-05-01

「ペルソナ」の時代が来た!

「ペルソナ」の時代が来た!

最近、よく聞く「ペルソナ」「ペルソナデザイン」。アメリカで流行っているマーケティング手法で、日本の企業でも導入が始まった新しい顧客把握、顧客開拓の方法である。

先日、ある30代の居酒屋経営者と話していたら、「ウチの店のコンセプトは、“ペルソナ”に基づいて作ったんですよ。ニューヨークの30代のビジネスマンを想定し、彼が普段使いできる和食店とはどんなものか、メニューはどう構成すればいいか、それを追究していったのが“新日本和食”という業態、メニューにはドライアイスを駆使してサプライズを演出したんです」と。若いスタッフから提案があり、コンセプトづくりに導入したという。それによって大きなヒットを生んだわけではないが、居酒屋がひしめくマーケットの中で、ある種の差別化をすることはできたのではないか。

飲食店はオーバーストア、大競争の時代に入ったが、数々の原材料値上げや“官製不況”の深刻化で外食動機はますます減ってくる。一方、マーケットは多様化、顧客の顔が見えないどころか、一人の客が多様なニーズを要求するわがままな“モンスターマーケット”の時代に入った。これはインターネットの浸透よって、PCさえあれば瞬時にいろんな商品やサービスを選べるようになったことが背景にあるようだ。飲食店選びにおいても、グルメ検索サイトから口コミブログ、ホームページなどから選び放題である。予約を入れてきたからといって、ただちにその顧客が店のターゲット客かどうか把握できない。

「ペルソナ」は店側が最初から“最も重要で象徴的な顧客モデル”を想定する手法だ。これから店をつくる場合だけでなく、現在の顧客データベース、たとえば顧客属性、利用動機、注文実績などから、顧客層をセグメント化し、さらにいくつかの層から代表的なユーザー(ペルソナ)を描き上げる。たとえば「青山の外資系広告代理店に勤める34歳のOLのAさん。大きなゴールは40までに結婚だが、当面はダイエットとグルメブログ更新に生き甲斐を感じている。外食回数は週二回、選ぶ店の基準は健康志向のコンセプトの店のみ。最近は薬膳料理にハマッている」といった具合。店側は、その「ペルソナ」の潜在的なニーズや深層心理を考えたメニュー提案、サービスを心がける、というわけである。

これまでは、コンセプトやターゲットを考える場合、ざっくりと「30代のOL」という括りだったが、これからは「どんな30代OLなのか」を明確に、そして詳細に把握しなければいけない。飲食店も「ペルソナ」マーケティングの時代に入ったと言えるかもしれない。

※毎週木曜日に発行しているメルマガをぜひご購読ください。購読料は無料です。購読方法はメルマガ登録フォームから。

【筆者プロフィール】

(佐藤  こうぞう)
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。1997年の金融不祥事発覚の突破口となった「野村證券総会屋利益供与事件(元社員の手記)」をスクープした『月刊BOSS』(編集長代理)など、数々の雑誌創刊に関わった後、2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長をつとめる。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2002年10月、フジTVと提携し『MENUマガジン』を創刊、vol.3までエディトラルアドバイザー。2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、レストラン・フードビジネス専門のプロデュース&プロモーション会社の有限会社カシェットを運営。2004年 10月から日刊紙の「フジサンケイビジネスアイ」日曜版で「行列 のできる店 仕掛人」シリーズ連載執筆。その他、日本ショッピングセンター協会、東京商工会議所渋谷支部で「商業施設における魅力ある飲食テナント誘致」等のテーマで講演。『月刊店舗』2005年8月号から06年1月号まで「食トレンドの先読み術」連載。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で“隠れ家レストランの仕掛け人”として、プロデュースした神楽坂「art et vin HAP(アール・エ・ヴァン ハプ)」が取り上げられる。
日本で初めて「レストランビジネス・ジャーナリズム」分野の開拓を目指す傍ら、レストランビジネス・プロデューサーとして「レストラントレンド」をテーマに講演・執筆を重ねている。日本ショッピングセンター協会発行の『SC JAPAN TODAY』4月号より「食のマーケット&トレンド」を連載開始。
2007年5月、有限会社カシェットから「フードスタジアム」を分社独立、渋谷区代々木にフードスタジアム株式会社を設立。業界トップのWEBニュースとして、現在月間PV600,000を超える東京レレストラン&グルメニュース「フードスタジアム」の拡大、全国展開に乗り出す。『ARIgATT』の復刊も模索中。
佐藤こうぞうブログ「つぶやき編集長の『毒にも薬にも…』」も開始。“裏つぶやき”として話題に。

コメント(0)  トラックバック(0)

編集長のつぶやき一覧

編集・ライター急募!

フードスタジアムの編集・
取材ライター業務です。

http://www.food-stadium.com

出店・業態開発の相談は

物件探しのお手伝いから
開業、販促プロデュースまで

www.cachette.co.jp