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編集長コラム

「強制リセット」されてたまるか!

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。

「3.11東日本大震災」から1週間、事態は思わぬ方向へと進みつつある。都心からネオンが消えた。飲食店には客がいない。経営者たちが「なぜだ~」と悲鳴を上げても、しばらくは客は戻らない...。いまやるべきことは、「次の時代」への準備ではないだろうか。


1,000年に一度といわれる大震災。私は専門外だし、あくまで個人的な見方だが、日本が阪神大震災の以前から「大地震活動期」に入っており、今回の東日本大震災はまさに何百年単位の太平洋プレート変動によるものだった。ただ、専門家の間では、“本命”は東南海大地震であり、今回の東日本は想定できなかった事態だったのだ。ましてやM9.0などという超巨大地震が来るとは誰も予想できなかった。その結果が、大津波による東北・北関東沿岸部の甚大な被災である。さらに、災害は地球の意志を超えて、現代人の我々にとっては欠かせなくなった電力供給源である福島原発を襲った。地震による災害の復興は予測できる。しかし、放射能汚染を伴う原発事故の先行きに関しては予測不可能だ。一人ひとりの人間の身体に影響を及ぼす不安がつきまとうからだ。しかも、この「原発事故」については、先進国、新興国にかかわらず、世界から注目されている。放射能汚染に敏感な各国は、汚染リスクの出てきた福島だけでなく首都圏からの避難という当然のアクションに出てきた。外資系はもちろん、東京に事務所をもつ多くの国内企業も社員に対し「自宅待機」を命じているのが現状だ。自宅待機族はスーパーやコンビ二で食品や飲料を買いあさり、自宅に籠もってしまっている。その結果、都心には人がいなくなり、飲食店には客がいないという状況を呈しているのだ。この状況は、原発の事態が改善されない限り、しばらくは続く。したがって、いま飲食店、外食企業が焦ってもしかたがない。何もできない我々は、原発が「最悪の事態」(メルトダウンによる原子炉爆発、放射能物質の飛散)を迎えないことを願うしかない。いま我々にできることは、被災地に物資や食料が行き渡るように、不用不急の買占めや行き過ぎた自粛生活をやめること、できる範囲で義捐金や寄付などの金銭的な支援を行うことだろう。いま、一時的に外食業界、飲食店の経営環境、とりわけ居酒屋やバーなどのアルコール業態が厳しくなっているが、原発問題が落ち着いてくれば、必ず客は戻ってくる。仮に「最悪の事態」を迎えたとしても、その先の影響度を読むことができれば、人心は安定する。不安心理さえ消え去れば、今度は復興需要が出てくる。マイナスに引かれたエネルギーが一気にプラスに転じるときが必ず来る。そのときは、飲食、外食パワーの出番だ。戦後復興も焼跡闇市の屋台から始まった。外食はなくならない。いま大事なことは、現実を見極め、いまは棚卸しするとか、従業員を休ませるとか、あるいは「次の時代」に向けて戦略を練り直すタイミングではないだろうか。原発事故なんかに「強制リセット」されてはならない!

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