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コラム

「ネオ割烹」「ネオ炉端」が新たなトレンドに!

ユネスコ無形文化遺産となったザ・ワショク(和食)"と景気回復機運の追い風を受けて、2014年は一気に「ネオ・トラ」(=ネオ•トラディショナル•ジャパニーズ)マインド&スタイルが広がっている。ここにきて、「ネオ割烹」「ネオ炉端」をコンセプトにする店も増えてきた。"

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


“TOKYOテイスト&スタイル”のオリジナリティを武器とする「ネオ和食」がにわかに脚光を浴び始めた。昨年後半から今年のはじめにかけて、代々木八幡「Gift食堂」、中目黒「酒人あぎ」のように、日本酒を軸に新しい和のテイストを提供する“ネオ和バル”や“ネオ割烹”のオープンが増えてきた。店主、料理長は和食店や割烹で経験を積んだ職人肌の人が多い。職人肌でありながら、マーケティング感覚にも優れ、新しいチャレンジする気概に富んでいる。今年3月にオープンした「酒人あぎ」は、五反田で日本酒ブームの先駆けとなった「日本酒バル AGI」のオーナー平野さんと日本酒に詳しい専門家山本さん、そして寿司屋と割烹2店を経験している料理長の3人が集合したネオ割烹。割烹ほど高くなく、居酒屋とはレベルが違う料理の数々。厳選された日本酒と和食人が織りなす世界は圧巻だ。

4月30日、池袋西口にオープンした「ジビエとくずし野菜割烹 和ガリコ」は人気のアジア料理ビストロ「アガリコ」のオーナー大林さんのプロデュース店。元スタッフで和食経験の長い杉山さんが独立を希望していたことから、独立支援という形で出店となった。コンセプトについて大林さんは「このエリアは焼肉、ホルモンなど肉業態の激戦区であり肉好きが集まる。加えて、池袋はジビエの店が自分の知るところまだない。ジビエを中心とし新鮮な野菜を加え、杉山さんが得意とする和食料理を組み合わせ“割烹ビストロ”とした」と話す。そのジビエ料理は価格を押さえ、「群馬県産 猪豚 すき焼き風」(850円)、「北海道岩見沢産 雉 もも肉塩焼き」(750円)など。日本酒は「獺祭スパークリング」はじめ泡ものを揃えたのが特徴。〆のうどん「トリュフ釜玉」(600円)は絶品でリピート必至。「アガリコ」が放つ“ネオ割烹”コンセプトは業界で話題になること間違いない。

「居酒屋以上~」というキーワードが台頭してきたが、その流れに沿って「炉端焼き業態」も見直されてきた。西新宿にオープンしたばかりの「ROBATA幸」。イタリアンと古典的な炉端業態をコラボさせた新しいスタイルの炉端バル。コンセプトはお箸で食べるイタリアン。産地直送の野菜や肉、鮮魚をシンプルに炉で炙り、仕上げは和とイタリアンをコラボさせたソースで提供する。てっぺんの創業メンバーであり、炉端業態を良く知る「絶好調」の吉田さんの6店舗目となる新店だ。ボウチラグループオーナーの高橋さんが練馬にオープンさせた新業態「ROBATA IPPUKU(炉ばたいっぷく)」。イタリアン業態をスタートに起業した高橋さんらしいセンスが映える店づくり。手の届きそうな距離で焼き上がる魚や野菜、肉。そのリアル過ぎるシズル感こそ炉端の醍醐味。炉を囲むコの字カウンターはわずか、11席。定番のしゃもじもなく、ワインも揃えた店はまさに「ネオ炉端」トレンドの到来を予測させる。

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