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編集長コラム

【シリーズ】地方の飲食店動向を追う(1)博多&佐賀編

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。

8月18~23日、福岡の博多と佐賀市の飲食店視察を行ってきた。博多は「炉端」「うどん」「大衆酒場」がいまトレンド。佐賀では飲食店オーナーたちと「伊万里牛」や高級トマト「光樹」の生産者、市役所や農協などの方々が集まり、「ローカルブランディング」についていろいろ話を聞くことができた。


博多はいま「炉端焼」「うどん居酒屋」「ネオ大衆酒場」がトレンドだ。「炉端」でいえば、「博多 八兵衛」「柳町一刻堂」で修業したという上山修氏の「炉端百式」、博多で数々の繁盛店を展開し、東京でも「もつ鍋 一慶」などを経営する中尾慎一郎氏の「ロバータ・デ・ニーロ」などが話題だった。博多の炉端ブームに火を付けたのは、2010年2月にオープンした佐竹孝雄氏の「雷橋」だといわれる。9坪の店だが、希少な食材を丁寧に客の目の前で焼き上げるスタイルが受けて大ブレーク。いまだに予約が困難といわれる。「百式」はスタジオムーンのデザインでシンプルでベタオシャレ系の空間とメニュー数の多さが特徴。「ネオ炉端」的なフィーリングは東京スタイルでもある。「うどん居酒屋」のトレンドをリードするのは「仁○加屋長介」。うどんの旨さには定評があるほか、斬新な一品料理がたくさんある。私が初めて訪ねたときの印象は、「うどんで〆るネオ大衆酒場」という印象だった。「仁○加屋長介」は東京はじめ各地から飲食店オーナーが視察に来るほどの人気。

それに続けとばかり、中尾氏は「唄う稲穂」を2014年10月にオープンした。2階は「ロバータ・デ・ニーロ」である。「唄う稲穂」で中尾氏から話を聞いた。「うどん屋と思われたら、夜の集客は厳しくなります。だから、ウチは16時からの営業。ワインの品揃えを充実させ、飲んで食べてもらい、最後にうどんで〆ていただくというスタイルを提案してます」。店内にウォークインのワインセラーがあるうどん店はここだけだろう。「ネオ大衆」系では、「フィッシュマン」のM&Coの森智範氏、経営は小野グループの「ニュースタイル大衆酒場 HAPPY」が3月にオープンした。うどんは「二○加屋長介」の玉置康雄氏、ロゴデザインはカフェブームを先導してきた山本宇一氏。さらに、店内に映し出されるデジタルアートを手掛けたのは吉田拓巳氏という豪華なメンバーのコラボ店。ネオを通り越して“スーパーネオ大衆”だ。そして、いま最も注目を集めているのが9月3日にオープンした「BUTABARA TO THE WORLD(ブタバラ トゥー ザ ワールド)」。「焼とりの八兵衛」の八島且典氏が同店以外のブランドで展開する大衆業態だ。ブランドコンセプトは、「博多の焼とりで世界中の人々を笑顔にしたい」というもの。運営は八島氏の弟の八島淳也氏が中心となる。ミドルリッチターゲットだった「八兵衛」をいっきにネオ大衆レベルまでカジュアルダウンした。大きな旋風が吹くに違いない。

博多から佐賀へは、佐賀県唐津市出身で和僑グループの高取宗茂氏の車で入った。高取氏は、新橋、有楽町、蒲田で「ヒノマル食堂」を経営、佐賀、新潟などでも飲食店を展開している。高取氏の生家は唐津の炭鉱王として成功した高取伊好家。高取氏が17歳の時没落した。その巨大な旧宅はいまも唐津市に残っており、国の重要文化財の指定を受けている。高取氏は18歳で博多に出て屋台業から飲食のビジネスに入った。佐賀市ではその旧邸を偲ばせるような一軒家で手作り豆腐と佐賀牛の「水匠」、炭焼き溶岩ハンバーグ「牛匠」、スイーツガーデン「果匠」、炉端焼「みさお」、そして東京から凱旋出店した「ヒノマル食堂」の5店舗をを経営。高取氏の声がけで佐賀市の飲食店オーナーたち、「伊万里牛」や高級トマト「光樹」の生産者、市役所や農協などの方々が集まって、「みさお」で飲み会をした。佐賀ではあまり飲食店オーナー同士の横のつながりはなく、珍しい会合ということで盛り上がった。「佐賀らしい飲食店とは?」「地産地消を飲食店でどう発信していくか」など、真剣な議論が交わされた。飲食店が中心となって、佐賀ローカルブランドをつくりあげようという建設的な意見も出た。「佐賀三本会」という飲食オーナー会も誕生した。今後の活動に期待したい。

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