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編集長コラム

ステーキの次は「牛タン」ブーム?

空前の肉ブームのなか、ステーキ業態の出店が相次いでいるが、その陰でまだ目立たないものの、「牛タン」をキラーコンテンツとする業態の新店が静かに増えてきている。ステーキの次は「牛タン」が来るかもしれない。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


5月13日、大井町東小路入口に牛タンをメインとした“大衆牛タン酒場”をコンセプトとする「牛タン いろ葉」がオープンした。1階カウンター15席とテーブル12席、2階座敷28席の20坪ほどの店だが、初日は70万円を売ったという。キラーコンテンツとなるメインの牛タン料理は、「厚切り牛タン炙り焼き」(999円、税抜き、以下同)と「シャロレー種仔牛の牛タン焼き」(999円)。ともに8切れで、ボリュームの割に1000円を切る価格はコスパ感が高い。ほかの牛タンメニューは、定番の「茹でタン」(799円)、「牛タンシチュー」(799円)、「味噌漬け牛タンの炙り」(799円)はじめ、「柔らか牛タン葱間」(199円)、「牛タンのメンチカツ」(599円)などもある。牛タン以外の居酒屋メニューも豊富で、牛タンをメインにしながらも居酒屋使いもできる。価格的には大衆酒場ポジションではなく居酒屋ポジション。牛タン系メニューを多く頼むと、客単価がハネ上がる仕組みだ。近くに「肉寿司」を経営するスパイスワークス(下遠野旦社長)がプロデュース。恵比寿横丁の牛タン「べコヒラ」も同社系列店。「いろ葉」の経営母体はStove’s market(代表取締役・戸塚庸平氏)。

牛タン専門店は、本場仙台の「喜助」や「利休」などの老舗がすでに東京でもブランドとなり、がっちりとマーケットを形成している。東京発では1981年に新宿歌舞伎町からスタートした「牛たん とろろ 麦めし ねぎし」がある。牛タンと麦めしとテールスープという絶妙な定食セットは女性にも受け入れられ、大ヒットした。そうしたなかで、新興勢力として出てきたのがKIDSの「牛タン圭助」で、現在11店舗を展開。その後、ペッパーランチやジェイプロジェクトなども牛タン業態にチェレンジしてきた。そしてまた、大手居酒屋チェーンの「つぼ八」が新業態を肉ジャンルにシフト、その一つとして「牛たん ささ川」1号店を2014年6月にアリオ上尾店フードコート内にオープンした。そこで手応えを感じたつぼ八は、2014年12月、赤羽駅東口の飲食ビル5階、ワタミの居ぬきの物件で「ささ川」2号店をオープン。こんどは酒類も充実させ、“牛タン居酒屋”というポジションを打ち出した。

そして、今年4月25日には京王線笹塚駅の駅前に開業した商業施設「フレンテ」3階に3号店をオープンした。先日、その「ささ川」フレンテ笹塚店を訪問、牛タン料理を試食した。まず驚かされたのが、メニューのバリエーションが豊富なこと。炙り牛タンだけで「薄焼き牛たん」(6切れ、972円、税込み以下同)、「厚切り牛たん」(6切れ、1080円)、「霜降り牛たん」(6切れ、1296円)、「牛たんの味噌漬け焼き」(1296円)、「牛たんの葱塩」(1188円)など。創作料理にいたっては、「すき焼き」「しゃぶしゃぶ」「極上たんステーキとフォワグラの挟み焼き」「牛たんのアラビアータ」「自家製牛たんつくね」「牛たん入りソーセージ」「ロースト牛たん」「牛たん煮込み」「牛たん入りワンタン」「テールスープで煮込んだおでん」などが並ぶ。そしてさらに驚いたのが純米酒を中心に地酒を20種類そろえたこと。大手居酒屋チェーンで、これほど純米地酒にこだわったラインナップは初めて見た。FC展開を視野に入れた業態だと会社側は説明していたが、これぞ“究極の個店”ではないか。牛タンをキラーコンテンツにして個店的業態づくりにチェレンジする居酒屋チェーンの脱皮の姿のを垣間見た。ここはブレーク必至ではないだろうか。

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